これって本当にあったお話なんだって。
派手さはないんだけど、こういう落ち着いた映画も悪くない。本屋さんに対する単なる本の注文から始まって、一度も会うことなく、本と手紙のやりとりで心を通わせ合ったというお話。

まず最初に不思議だったのが、1949年とか1950年頃のイギリスは食料品が配給制だったということ。イギリスは戦争に勝った国だし、戦争が終わって4年とか5年経っていたので、まさかそんなイギリスで食料品が配給制だったとは知らなかった。実際戦後しばらくの間は統制下にあったらしい。そんな状況を知ったアメリカ人の売れない脚本家の女性ヘレーヌが、本屋さんに食料品を送ってあげたことから、ロンドンの本屋さんの従業員たちと、ニューヨークにいる脚本家ヘレーヌとの間での交流が始まる。荷物を送ったことがきっかけで、最初に脚本家の彼女と手紙のやりとりをしていたフランク以外の従業員も、彼女にお礼の手紙を書くようになり、おかげでヘレーヌは、本屋さんの従業員としてどんな人がいるのか、それぞれの従業員がどんな家族と一緒に暮らしているかなんてことまでわかるようになる。手紙だけでロンドンとニューヨークっていう離れた場所に住む人たちが家族ぐるみで心を通わす様子が描かれているので、なんだか安心してみていられる。

脚本家ヘレーヌのたくさんの本に対する考え方もおもしろいのだけれど、何より、この映画の中では、本がとても大切で貴重なもののように描かれていることが印象的だった。形も表装も様々な本たち。中身は詩集だったり、なんだか小難しいそうな「○○論」みたいなお話だったりする。そのどれもが、とてもかけがえのないもののように描かれているのだ。この様子を見ていてちょっと反省しちゃった。私も時々は本を読むけど、たいていは文庫本。扱いも決して丁寧とはいえない。ま、文庫本のようなスタイルがうまれたおかげで、誰でも簡単に本を手に入れることが出来るようになったわけだけど、本に対する切ない気持ちっていうか、憧れのようなものはなくなってしまったのかも。

奇抜な演出もなし。この映画ではただひたすら手紙でのやりとりと、手紙を書く人物の、ある意味平凡な生活がずっと描かれているだけなのだ。それでも、映画としてはとても上質なものに仕上がっていた気がする。アンソニー・ホプキンスも、私には「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターのイメージが強いのだけれど、こんなに落ち着いた、普通のおじさんの出演作もあったんだな。そのアンソニー・ホプキンス演ずるフランクの妻の役はジュディ・デンチ。一番有名なのは007シリーズのMの役かな。ヘレーヌ役のアン・バンクロフトっていう女優さんの出演作は、私はほとんど知らないものばかりだった。

というわけで、この作品は何だか上質の落ち着いてみられる作品。
退屈になりそうな設定なのに退屈しない、これってやっぱり作品の質が高いからなのかな。
結構話題になった作品だったようにも思うけど、今まで全然観るチャンスがなく、今回初めて観た。そして、「え?これってユアン・マクレガーの作品だったんだ」なんて今更ながら気づいたりして。ロバート・カーライルも出てたのね。全然知らなかったよ。

メイキングをちらっと観たところによれば、どうやら原作があるらしい。しかも、原作では特に誰が主人公ってことじゃないみたいで、たくさんのエピソードで構成されているようだけど、映画では敢えてマーク・レントンを主人公に据えて物語を構成したらしい。

麻薬中毒者の生活って本当にこんな感じなんだろうか。本当のところはどうだかわからないけど、かなりはちゃめちゃというか、めちゃくちゃなんだな。そして相変わらず、「イギリスだなー」って思うのが、どう考えても登場人物達は働いていないにもかかわらず生活できているってことかな。働かなくても生きていけて、その上麻薬も買えるっていうのは、まぁ盗みなんかも働いているにしても、やっぱり国の社会保障制度がかなり整備されているってことなんじゃなかろうか。いいかどうかは別として、さすがイギリス。やっぱりすごい。

作品の最初の方で、レントンが本当に最悪に汚くて気持ちが悪いトイレに手を突っ込んで麻薬の坐薬(本当にそんなのあるのかしら?)を探すシーンがあるんだけど、そのシーンがとにかく気持ちが悪い。こっちも吐きそうになるくらいで、「もうやめろー!」って思うと、突然それが綺麗な水の中にレントンが潜っていって薬を探すっていうなんか幻想的な水の中のシーンに変わったりしてちょっと救われる。そうじゃなきゃあのシーンには、もうただの一秒だって耐えられないって感じだったもの。

みんなで麻薬におぼれている間に赤ちゃんが死んじゃったりとか、麻薬を断ち切るためにレントンがベッドで見る幻覚とか、一緒に麻薬をやってた友達がエイズで死んじゃったりとか、麻薬中毒のアブナさは結構リアルに描かれているんだけど、時々そのトイレのシーンみたいに、なんだか現実と想像の世界が交錯するシーンがあったように感じる。その不思議な感じが、きっと原作を読んで監督達が感じた感覚なのかもしれない。
                
う〜ん、よいとも悪いとも言えない作品。なんだか不思議な感じ。私の知らない世界を覗いたな〜っていう感じの映画でした。
これだけの長さの作品は、やっぱり劇場では無理かもね。劇場公開時でもかなり長かったけどそれより長い、約4時間。それでも、劇場公開時にはカットされたシーンで「あのエピソードが抜けていると原作を読んでない人はこのシーンの意味が何やらわからないじゃん」って部分がそれなりに解消されいた気がする。

まず、最初に追加されていたシーンは、エントの活躍で水浸しになってしまったアイゼンガルドにガンダルフほか旅の仲間の面々(フロド、サム、ボロミア除く)がやってきて、サルマンと対決するシーン。このシーン、公開時にカットされたときには、熱烈なサルマンのファンが署名を集めてカットしないように求めたという話があったとか。確かにこの後のストーリーに深く関連するシーンでもないので、カットされていても気にならなかったけど、やっぱりあったほうがいいかな。サルマンの最期のシーンだしね。

他にも劇場公開時にはカットされていたシーンがかなり盛り込まれている。
それでも原作をはしょった部分があるわけだから、やっぱり映画化するには壮大すぎる物語なのかも。他にも、いろいろ追加されていたけど、例えば山の兵隊たち(って亡霊だけどさ)に協力を求めたアラゴルンが、満足のいく答えを得られないまま山から出てきたときに、大河をミナス・ティリスに向けて進軍する海賊達の船団をみて膝をガックシついてうなだれるシーンなんてちょっと意外だった。アラゴルンだけは人間の勝利と自分の王への復位を信じて疑わないのかと思っていたけど、実は絶望の底に沈んだ瞬間もあったのね。

あと、「よかった〜これで原作読んでない人もなんとなくわかるかな」とホッとしたのが、エオウィンとファラミアが、クライマックスのアラゴルンの戴冠式でなぜ仲良く並んで出てくるのかを説明するシーンがちゃんとあったこと。二人は戦いでの傷を癒すために療養しているときに出会うのだけど、劇場公開時はこれがカットされていて、戴冠式に二人を観てもよくわからなかったもの。

他にも、エオウィンが倒れているのを抱きかかえながら泣き叫ぶエオメルのシーンとかも、公開時にはなかった気がする。戦いのシーンも細かいところが追加されていたりして、納得の4時間だったね。DVDも2枚に分かれていて、おうちで見るときも一応幕間をもうけてお茶を飲みつつ休憩したり、トイレにいったりして観た。とにかく長いですわ〜。でも、昔は、例えば「マイ・フェア・レディ」とか、劇場でも幕間のある映画があったわけだから、できなくはないんだろうけど、ま、それじゃあ観客動員数が落ちちゃって配給会社も儲からないからってことで難しいんだろうね。

DVDになって時間の制約が多少なりともなくなったにもかかわらず、戦いが終わった後の物語というのは相当はしょってある。あと、「どうなったのかな〜」って気になったのが、戦いの後旅の仲間も解散してそれぞれのふるさとに戻って行くというのだけれど、たとえばドワーフのギムリはどこに帰ったんだろう?モリヤの坑道にいたドワーフ達はみんな全滅していたわけだけど、ギムリはどこから来たんだっけ?違う所に住んでたドワーフなんだっけ?あと、フロドは、ビルボやガンダルフと一緒に、エルフが旅立つ最後の船に乗って旅立つんだけど、じゃあそれよりも先にレゴラスは旅だったんだったっけな〜レゴラスもエルフだし、旅立っているはずなんだけど。また原作を読んでみなくちゃ。

とにかく2回観てもなおその壮大な物語には心を動かされる。人それぞれ、長い間ずっと心に残る映画作品というものはあるんだろうけど、私にとっては、「ロード・オブ・ザ・リング」三部作こそがこれにあたるのかもしれない。私にとっては「スターウォーズ」よりも印象深い。

まだ特典映像は全部みていないんだけど、この作品を撮影するために使われたたくさんの馬たちについてもDVDでは語られている。馬の調教の難しさや、役者たちがどんなふうにして乗馬に慣れたかとか、馬たちが素晴らしい演技を見せることなんかが描かれている。それだけでも十分に楽しめるドキュメンタリーって感じ。そして、撮影が終わったら馬が売られていくことになるんだけど、アラゴルン役のヴィゴが、スタント役の女性のために馬をプレゼントしたなんていう心温まるエピソードも語られている。彼女はその馬ととても仲良くなったんだけど、自分ではお金が足りなくてとても競り落とせないっていうときに、ヴィゴが彼女のために自ら競り落としてプレゼントしたんだって。そのスタント役の女性も、インタビューでそのエピソードを語るときには思わず目に涙が浮かんでしまうくらい感動していた。

特典映像だけでもDVDが2枚あるので、この先どんな特典が入っているのかとても楽しみ。そういえば、第一作からずっとスペシャルエディションを買っているのに、私はまだほとんど特典映像を観てなかったな。観なくちゃ!!
前作「ボーン・アイデンティティー」の続編。で、ちょっと気になるのが、この映画のCMを当初テレビで流し始めた頃は、「あれから2年・・・」なんてやっていたのに、最近のCMではそうは言わない。「続編か。じゃ、前作観ていないから前作をビデオでチェックしてから観に行くか」とかって出足が悪くなるのを恐れての戦略なんだろうか?会社で同僚達と話していても、「え?あれって続編なんですか?知らなかった!」という人もいるくらいだから、前作を観ていない人もとりあえず観に来させようという魂胆か。いやいや、別にいいんですけど、もしこんな考え方に基づいて「あれから2年・・・」って言う部分を消しちゃったんだとすると、なんか小賢しいって感じでいやだな。だって、やっぱり前作観ていた方がいいと思うもの。これから観に行こうとしている人で、まだ前作を観ていない人は、とりあえず前作を観て下さい。今すぐビデオなりDVDを借りて、それから劇場に行かれるのが良かろうかと。

前作もそうだったけど、マット・デイモンの抑えた演技がきいている。マット・デイモンには、例えばブラッド・ピットにあるような派手さはないと思うんだけど、この役にはぴったりなのかな。CIAの諜報員や暗殺者なんて目立っちゃいけないわけだから、普通っぽい彼のような人こそが適任なのかもしれない。とにかく、この作品にはきちんとストーリーがあって、きちんと楽しめる。(「オーシャンズ12」に裏切られたのがちょっとトラウマになっている私・・・)テレビでCMガンガンやっていて、その各シーンのつなぎ方をみて「こういうストーリーなのかな?」と想像して観に行くと、意外にそれとは違うストーリー展開だった。私が勝手にストーリーを想像していただけではあるけど、その意外な展開にちょっと驚かされたのも楽しめた。

冷酷な暗殺者のようにも思えたボーンが、マリーを亡くして、彼女の遺留品を全部焼くんだけど、彼女と二人で写った写真だけは焼かずに持っているっていうのが切ない。暗殺者として訓練されたボーンが一時でも人間らしい感情を取り戻すことができるのが彼女と一緒にいるときだったのかも。鞄の中に入っている写真以外には、そんな甘ったるさを感じさせるシーンはほとんどないんだけど、それすら計算されてのことのように思える。

マット・デイモンによれば、今回の作品の一番の見せ場はカーチェイスのシーンだって。で、その見せ場シーンもいよいよピークに差し掛かってくると、もう動きが早くすぎて、全然目がついていけない。っていうか、カメラもついていけてない?目はグルグル、手には汗、肩には力って感じが続いて、一気に脱力。確かに迫力ありました。そして、観終わった後はちょっと疲労感が。力入ってたのね。いや〜ちかれました。

そんなわけで、この作品はオススメ。アクション満載のこの映画は、「ミュージカルなんてちょっとかったるい」といった人も絶対に楽しめる。この作品のおかげで「オーシャンズ12」のトラウマがだいぶ解消されたね。

オペラ座の怪人

2005年2月7日
ロード・オブ・ザ・リング同様にこれから観る方にアドバイスさせて頂きましょう。LOTRほどじゃないけど、結構長いので、飲み物は控えめに。トイレは必ず事前にすませましょう。

さて、私は一度だけミュージカルの「オペラ座の怪人」を観たことがあるけれど、映画でも音楽が秀逸。そりゃあ当たり前といえば当たり前なんだけどさ。だって映画の音楽もアンドリュー・ロイド・ウェーバーですから。もともとフランスのガストン・ルルーって人の書いた作品が原作のようなのだけど、おそらくこの作品も、アンドリュー・ロイド・ウェーバーの音楽がなければ、世界中にその名を知られることもなかったかもしれない。とにかく、世界中でヒットしているミュージカルはほとんどこのアンドリュー・ロイド・ウェーバーの作品と言えるんじゃなかろうか。「キャッツ」も「エビータ」も、「スターライト・エキスプレス」とか、「ジーザス・クライスト=スーパースター」とか。私は実はこの人の作品「オペラ座の怪人」しかみたことがないんだけどさ。

この映画のすごいところは、やっぱり音楽かな。ファントムもクリスティーンも、ラウルも、3人とも吹き替えはなし。ジェラルド・バトラー扮するファントムの声は力強くて艶があってよかったし、エミー・ロッサム扮するクリスティーンは透明感があって清楚な感じの歌声。エミー・ロッサムは「デイ・アフター・トゥモロー」にも出てたのね。前にニコール・キッドマンとイアン・マクレガーの「ムーラン・ルージュ」を観たけど、この二人よりも今回のキャストはずっと上手いと思ってしまった。

今回の作品の中では、ファントムがどうしてオペラ座に住み着くようになったのかなども少し描かれている。そのエピソードでますますファントムが哀れになる。そして、その力の使い方は少し間違っていたかもしれないのだけど、ファントムのクリスティーンに対する思いだけは真っ直ぐなので、やはりクライマックスのシーンは切なかったな。原作ももちろんいいのかもしれないけど、ファントムとクリスティーンとラウルの想いが絡み合うシーンでは、実際に三人の歌声も見事に重なっていて、こういうところがアンドリュー・ロイド・ウェーバーを天才と言わしめるゆえんなのかもしれない。
あと、ファントムがクリスティーンと二人で舞台で歌うシーンがあるんだけど、このシーンも印象的だった。ファントムの圧倒的な力と情熱を見せつけるような歌声と、クリスティーンの揺れる心を表すような、それでいて澄み渡るような歌声。観ていてゾクゾクしてしまった。映画だと、登場人物をアップで映せたりするから、それだけキャストの表情もよく見えて、その点はミュージカルよりも優れているのかもしれない。

音楽の迫力に最後まで圧倒されてしまって、観終わったらちょっと疲れを感じるほどだったけど、やはりこの迫力は劇場で堪能すべきだと思う。オペラシーンのきらびやかさもそうだし、音楽の迫力もそうだし。おうちではなかなかこの迫力は体験できないのではないでしょうか。
あと、この作品のシアターの年齢層は結構高かったな。それに意外だったのが、いつもは子供向けの作品ばかりを大きなスクリーンのあるシアターで上映する我が近所の劇場で、この作品が一番大きなシアターで上映されたこと。絶対小さな劇場だと思っていたのに!意外だったけど、そのおかげで大きなスクリーンでその迫力を堪能できたことはうれしかった。

いや〜、前日に観た「オーシャンズ12」に大変立腹させられた後だっただけに、この作品で口直しが出来て良かった。この映画を観たら、ミュージカルも観たくなっちゃったな。いや〜満足した。私はあまり何度も同じ作品を観たりしないんだけど、この作品はもう一度観てもいいと思う。ストーリーだけじゃなくて、あの音楽をもっと聴いていたいというのがその理由かも。今も頭の中に曲がぐるぐるまわっちゃう。オススメですよ〜

オーシャンズ12

2005年2月6日
私はこの映画を観終わって出てくるとき、思いっきり憤慨してました。こんなに「客をバカにしてる!」と思った作品は近年稀。いやいや本当に腹が立ちましたわ。あ〜あ、こんな作品をお金を出して観てしまった自分が悔しい。そして何よりも、なんとなくこの作品にほのかな期待を抱いて観に行った自分が悔しい。あ〜あ、ホントに腹が立つ。結局キャストだけで客を呼ぶ最低の作品だった。

キャストで人を呼び寄せられる作品でも、まあ、普通に作ればそんなに腹も立たなかったかもしれない。でも、この作品のストーリーは最低。「は?それはあんまりでしょう!」とか「おいおい、そんなでたらめってある?」って思ってしまう部分が多くて、客をバカにしているとしか思えない。テキトーに作ったとしか思えない。そう、このテキトーさに腹が立つのだ。豪華キャストでそのキャスト陣に負けないぐらいのものすごいストーリーを作るのはそりゃあ難しいかもしれないけどさ、その努力もしないでテキトーにつくって、「ま、これだけのキャストで楽しんでもらったから、テキトーでも許してもらえるかな」っていう感じがありあり。その、テキトーに作った部分を、「観客もだまされる!」みたいに宣伝して客を呼ぶところが腹立たしい。観客がだまされているんじゃありません。ストーリーがインチキなだけです!!!さらに、登場人物とキャスト本人をだぶらせたり、他の俳優さんをテキトーに出してみたり、そうなってくると「バカにしている!」と腹が立ってくるんだな。

オーシャンズ11も、正直言って、ガイ・リッチーの「スナッチ」の作風をまねただけという印象だったけど、そのオーシャンズ11よりもヒドイこの作品。ソダーバーグはこんな作品作っちゃってちょっと良心がとがめたりしないんだろうか。彼はもっと社会派作品をきっちり作り込む監督だと思っていたんだけどな。とにかくガッカリさせられたよ。ブラッド・ピットもジョージ・クルーニーも嫌いじゃないし、二人ともカッコイイと思うんだけど、彼らのかっこよさをもってしても許されない作品だった。久々だよ、こんなに一つの作品をこき下ろすのはさ。最近観たヒドイ作品といえば「80days」だったんだけど、正直この「80days」よりも腹が立っちゃったかもしれないな。テレビでCM出てくるだけでも腹が立つわ!

とにかく、この作品は、お金を出して観に行く価値がない。ブラッド・ピットやジョージ・クルーニーをどうしても観たいっていう人は、レイト・ショーで観るとか、ファースト・デイあるいはレディース・デイなどの割引の日にみないと本当に損しますよ。本当に。話題性だけで観るにしてももったいない。あ〜あ、本当に腹が立つ!!
このタイトルじゃあ日本では絶対にヒットしないよね。だってどんな映画なのか皆目見当もつかないし。「どうしてこんな邦題にしちゃったかな〜」ってな作品も結構あるのに、この作品は劇場公開時にはそのままのタイトルで公開しちゃったみたい。これこそ邦題をつけるのに工夫を凝らすか凝らさないかで多少なりとも売れるかどうかっていう作品だと思うのに。

始まりは最悪。目の前で目玉をつぶされるシーンとか、死人のはらわたから飲み込んじゃった宝石を探すシーンとか。ホラー映画かと思ったよ。でも、実際にはほどよく笑いも盛り込まれた、観終わった後の感じもなかなかよい作品だった。

アメリカに行って一旗あげるための資金集めに、貴族のふりをして金持ちの情報を集め、礼儀正しく金品を強奪することから、「紳士強盗」なんて呼ばれちゃったりして、それ自体がおかしい。でも、こんな強盗どうやらホントにいたという話。この「プランケット&マクリーン」っていうのも、そのお話をよく知っているイギリス人からすれば、タイトルを観ただけでどんな作品かわかるっていう内容だったのかもしれない。

この作品のおもしろさは、強烈な個性を持つキャラクター達がしっかり描かれていることにあると思う。マクリーンにしても、一見貴族のように見えなくはないけど、自分に甘く、情におぼれやすく、でも「どうしようもないけど憎めないヤツ」として周りから愛されるキャラだってことがわかる。ロバート・カーライル扮するプランケットは、厳しい状況を生き抜く知恵と度胸がある。おそらく貧しい生まれだと思うけど、卑屈になることなくしっかり自分を持って生きているような感じ。なかなか人に心は許さないけど、一旦相棒になると、相棒をとても大切にする。リブ・タイラー扮するレベッカも、勝ち気なお嬢様って雰囲気が良く出ていたし。敵役のとにかく残酷なチャンスもさることながら、最も強烈な印象を放っているのは、ロックウェルかもしれない。化粧して着飾って両刀使いっていう彼は、プランケットとマクリーンが強盗なのも恐らくわかっていながら、端からゲームみたいにそれを楽しんでいる。それでいて、大事なところではちゃんと手を貸してくれて、いいヤツなのだ。

プランケットがその知識を活かしてマクリーンを数々の窮地から救い出したりしているうちに、最初はビジネスライクなおつきあいだった二人の間に、友情っていうか、絆が生まれるっていうのも観ていて感じがいい理由かも。

日本では全く話題にならなかった(と思われる)作品ながら、それなりのキャストも出演しているし、観ていて感じがいいし、「こりゃあ意外な拾い物をした」っていう感じで楽しめる作品だった。

DENGEKI

2005年1月27日
DVDで借りたんだけど、観始めるまで、自分が一度観たことのあるやつだとは気づかず。ところどころのシーンで「あ〜このシーンあったね〜」と思うものの、意外にストーリーは忘れていて、どいつが悪者でどいつが味方なのかとかも忘れていたおかげでそれなりに楽しめちゃったりして。「忘れる」というのもこういうときには悪くない。

今回のセガール君、彼には珍しく変なファッションじゃなかった。いつもは腕にフリンジがついたようなちょっと時代遅れというか「おいおいその服で潜入捜査もないでしょうに・・・」と思っちゃうようなファッションだったりする訳なんだけど、今回はまとも。最初はきちんとしたスーツでの登場だし、それ以外のシーンでもそんなに変な格好じゃなかったような。そして結構ツボにはまったのがセガールの交通整理。苦手そうだよな〜彼がわざとそういう風に演じているというのも、もしかしたらあるのかもしれないけど、向かない感じ。自分の支持に従わないドライバーがいたら、すぐに怒って「ちょっと降りろ!」とかって車から引きずり出して合気道の技で痛めつけそうだもん。

この作品、セガール作品にしては出来もそんなに悪くないと思ったら、監督はリーサル・ウェポン4の監督なのね。この監督はよほどアジアの格闘技が好きみたいで、リーサル・ウェポン4やロミオ・マスト・ダイではジェット・リーを起用している。って、未だによくわからないんだけど、映画で出演者を決めたりするのは監督なんだろうか?それともプロデューサー?監督は解任されたり途中で交替されたりすることがあるみたいだけどプロデューサーはなさそうだし。ってことは、プロデューサーの方に権限があるんだろうか?ま、それはさておき、この作品ではもっぱら銃での撃ち合いなので、そんなセガールの合気道技が観られるわけでもないんだけど、最後の方の撃ち合いなんかは結構迫力あったんじゃないだろうか。

2回目でも結構楽しめた大きな理由は、ストーリーが進むにつれていいヤツと悪いヤツがはっきりしてきて、最後に必ずいいヤツが勝つってことかな。何しろ私は勧善懲悪のお話が好きだから。しかも、悪徳警官たちをとっちめるっていうのがまたいいじゃない。そんなこんなで結構楽しめた作品なのでした。気軽に観られる作品。
これは、品川のIMAXシアターに観に行ったんだけど、観に行った価値あったね〜IMAXのクリアな画面で、しかも3Dの大迫力の画面で観ると、この作品のみ力を最大限楽しむことが出来るような気がするな。ゼメキス監督、いい作品をありがと〜!って感じ。

日本でもクリスマスは一大イベントなんだけど、どちらかっていうと、カップル向けのイベントになっちゃっているような気がする。この作品では、そろそろサンタ・クロースの存在を疑い始めた男の子が主人公。その子が、クリスマス・イブの夜に突然うちの前にやってきたポーラ・エクスプレスにのって北極圏にサンタに会いに行くお話なんだけど、観ながら何度もじんわり来てしまった。

今回IMAXシアターで観たことによって、ポーラ・エクスプレスで北極圏まで向かうまでの道のりは、相当な迫力で観ることが出来た。汽車がジェットコースターのように登ったり降りたりの線路を進むシーンなんかも、あたかもジェットコースターの一番てっぺんからびゅーんと降りる感覚は、遊園地で乗っているときとほとんど同じ。すごい迫力。それ以外にもポーラ・エクスプレスの金色のチケットが風に飛ばされて、オオカミたちの群れが走っている所をひらひら舞ったりするシーンも、立体的なのでとてもリアル。そして何より、最初から最後まで、アニメーションとは思えないリアルな描写が、この作品をより質の高い物に仕上げたんだって思う。車掌さんなんて、頭ハゲにして、髭つけて、めがねかけたトム・ハンクスそのものだった。

ただ単に、サンタに会いに行くまでの過程を描くだけでなく、ちょっとミュージカル風なシーンを作ってみたり、いかにも貧しくて恵まれてなさそうな男の子と、クリスマスは素晴らしい物だって強く主張する女の子のデュエットとか、歌もふんだんにもりこまれている。もともと絵本が原作だってことなので、こういう「音」の要素を盛り込むことによって映画ならではの良さを十分出しているかな。トム・ハンクスホットチョコレートの歌を歌うシーンがあるんだけど、これがもうトム・ハンクスがノリノリで歌ってるんだよね〜しかも結構上手。本人も相当楽しみながら歌ってた様子だったな。

それにしても、アメリカ人にとってのクリスマスって本当に大切な行事なんだろうな。そうそう、スペインでは、プレゼントは1月7日だとか8日だとかに、サンタ・クロースじゃなくて、イエス・キリストの誕生をマリアに伝えたという東方の三賢人なんだって。ドイツでも、アメリカ風のクリスマスはやめようみたいな動きがあるらしく、同じキリスト教を主としている国々の間でも、それぞれの国のやり方があるらしい。

日本人にとってはやっぱりクリスマスよりもお正月かな。お正月くらい、着物着たり、初詣に行ったり、おせちだのお雑煮だの食べて、昔からこの国の人たちが祝ってきたのと同じスタイルで、自国の文化を大事にする日にしたほうがいいじゃないでしょうか。そういう意味では、最近は元日から営業しているお店もあるんだけど、その従業員の人たちにも家族がいるわけだし、家族みんなでその人達がお正月を迎えられるように、元旦くらいはお休みにした方がいいんじゃないでしょうかね。初詣に行くためには交通機関が動いていなければいけないので、大晦日から元旦にかけての初詣は、自分のうちから車か徒歩で行くことの出来る近くの神社に行くとかね。遠くへの初詣もお店の営業も、二日以降にしたらどうですかね。

かなり質の高い作品。この作品は、DVDを買って何回も観たいかなとおもっちゃった。3Dで観たいので、DVDの時には3Dにして、紙製のやつでいいので3D眼鏡つきで売って欲しいものだ。

カンフー・ハッスル

2005年1月18日
「少林サッカー」を思いっきり楽しんだ私。実は前からずっと楽しみにしていた作品だったの!今回は、別の作品を観に行くつもりで劇場に行ったら、お目当ての作品がすでに全席売り切れだったので、「じゃあ」ってことで観に行ったんでした。冬休みだったからということもあるかもしれないけど、この作品のシアターには子供が多かったな〜

結論としては、この作品も思いっきり楽しんだ。
気軽に観られて、バカバカしく笑えるエンターテイメント作品にきっちり仕上がっているじゃない!どう考えてもかっこよくないおじちゃんとか、小太りのおばちゃんとかがカンフーの達人だったりするその設定がおかしい。おかしくて笑える。

しかし、中国人(これは香港の作品かしら?)というのは本当にカンフーが好きらしい。年末年始に中国に行ったんだけど、現地では、どの時間帯にテレビをつけても、かならずカンフーがらみの時代劇チックなドラマをやっているのだ。番組によっては、妙にクリアな画面だったりするときもある。昔、水戸黄門が急に綺麗な画像になったときに、俳優さんのカツラのつなぎ目とかが見えすぎちゃって違和感を覚えたことがあるけど、それと似たような感じ。古い時代のドラマを、たとえ最近作っている物であったとしてもちょっとあせたような画面で
放送されれば雰囲気出るんだと思うけど、それをくっきり綺麗な画面で放送されちゃうと、いかにも「つくりもの」って感じがしちゃうんだよね。

話がそれちゃいましたが、カンフー・ハッスル。おもしろかった〜
あられチャンみたいに猛烈に走ったりするシーンがあったんだけど、そのシーンでは、ただ走っているだけだというのに、観ている子供達がゲラゲラ笑うんだよね。私はさすがにゲラゲラは笑わなかったけど、笑ってもいいかなって思った。どうやら子供達と同じレベルらしい。なんか、ドリフっぽい笑い。私は好きだな。
(隣にいた夫によれば、私も子供同様ケラケラ笑っていたらしい)

まぁ劇場に絶対観に行って欲しいというわけではないけど、別に観に行っても損になる訳じゃないと思う。もうロードショーは終わっちゃったかしら?なんか、友達何人かうちによって、ケラケラ笑いながらうちで観るっていうのが盛り上がりそうな作品。

カンフー・ハッスル

2005年1月18日
「少林サッカー」を思いっきり楽しんだ私は、実は前からずっとこの作品を楽しみにしていた!今回は別の作品を観に行くつもりで劇場に行ったら、お目当ての作品がすでに全席売り切れだったので、「じゃあ」ってことで観に行ったんでした。冬休みだったからということもあるかもしれないけど、この作品のシアターには子供が多かったな〜

結論としては、この作品も思いっきり楽しんだ。
気軽に観られて、バカバカしく笑えるエンターテイメント作品にきっちり仕上がっているじゃない!どう考えてもかっこよくないおじちゃんとか、小太りのおばちゃんとかがカンフーの達人だったりするその設定がおかしい。おかしくて笑える。

しかし、中国人(これは香港の作品かしら?)というのは本当にカンフーが好きらしい。年末年始に中国に行ったんだけど、現地では、どの時間帯にテレビをつけても、必ずカンフーがらみの時代劇チックなドラマをやっているのだ。番組によっては、妙にクリアな画面だったりするときもある。昔、水戸黄門が急に綺麗な画像になったときに、俳優さんの桂カツラのつなぎ目とかが見えすぎちゃって違和感を覚えたことがあるけど、それと似たような感じ。古い時代のドラマを、たとえ最近作っている物であったとしても、ちょっとあせたような画面で放送されれば雰囲気出るんだと思うけど、それをくっきり綺麗な画面で放送されちゃうと、いかにも「つくりもの」って感じがしちゃうんだよね。

話がそれちゃいましたが、カンフー・ハッスル。おもしろかった〜
あられチャンみたいに猛烈に走ったりするシーンがあったんだけど、そのシーンでは、ただ走っているだけだというのに、観ている子供達がゲラゲラ笑うんだよね。私はさすがにゲラゲラは笑わなかったけど、笑ってもいいかなって思った。どうやら子供達と同じレベルらしい。なんか、ドリフっぽい笑い。私は好きだな。

まぁ劇場に絶対観に行って欲しいというわけではないけど、別に観に行っても損になる訳じゃないと思う。もうロードショーは終わっちゃったかしら?なんか、友達何人かうちによって、ケラケラ笑いながらうちで観るっていうのが盛り上がりそうな作品。

隠し剣鬼の爪

2005年1月17日
う〜ん、一言で言えば、「たそがれ清兵衛」の二番煎じ。田舎侍って言う設定も同じだし、普段は目立たない平凡な侍で、控えめで、でも剣の使い手でってところまで同じな上に、秘めた恋っていうところまで同じなんだよね。二つとも同じ、藤沢周平の原作であるっていうのも原因かもしれないけど、似すぎている。

とはいえ、そんなに悪い作品ではなかった。私がもともと時代劇が好きだと言うこともあるのかもしれないけど、時代劇なんて、だいたいストーリーはいつも似通ったような物が多いのだから、新鮮さとか驚きとかがなくても楽しめることは楽しめる。

永瀬正敏って、私は他の作品ではほとんど観たことがなかったんだけど、真面目すぎる役をそれなりに上手く演じていたように感じる。殺陣の上手さというか迫力では、やっぱり真田広之には負けちゃうと思うけど。そもそも最後の方まで殺陣のシーンなんてないし、なんだかあっという間に終わってしまうので、気にならないくらい。そうだな〜そういう意味では、冒頭はちんたらとテンポがゆっくりすぎるので退屈するかもしれない。

あ、ただ、そんなちんたらなテンポだったんだけど、結構笑いながら観てたかも。田舎の小藩で、新しい銃火器を使えるようになるための訓練とかを一生懸命やっているんだけど、その姿が滑稽で滑稽で。本当はどうだったのか知らないけど、大砲を試しに撃ってみたときに、その反動で大砲自体が後ろにどーっと動き出したことに大あわてでバタバタしている姿とかって、なんだかおかしかった。

秩序を保つために作られた封建的な価値観の中で、世間体や社会的な地位なんて物にはこだわらずに、本当に大切なものを大事に、いつも真面目に、本当は力はあるんだけどそれを隠して無能なふりをしているっていうその生き方に共感するのはやっぱりおじさん達世代なのかな〜自分のことを、目立たないけど、家族を大切に思いながら生きている、現代の封建制度=会社で生きる侍のように考えたりするんだろうか。

もともと時代劇にあまり抵抗感のない人は、観てそれなりに楽しめるかもしれないけど、「なんでそこで我慢するの!」とか、「どうしてそんな考え方するのか理解できない!」っていう人にとっては、まどろっこしくて疲れちゃう作品のなのかも。時代劇好きな人におすすめの作品。
原題はTHE INCREDIBLESなので、家族全体が主役なのね。
この作品も結構おもしろかった。アニメーション的に、「最近のアニメってすごいな〜」って私が感心したのは、シンドロームっていう敵役が、窓越しにロケットを見つめているシーン。アニメーションなんだけど、まるで実写のような立体感。本当にそこに人間がいて、窓があって、窓の向こうにロケットが見えている、実写映画のワンシーンのようだった。子供が観てももちろん楽しめると思うけど、大人が観ても楽しめるはず。

ミスター・インクレディブル自身も含めて、家族がみんな、自分の能力をひた隠しにしなくちゃいけないっていうことで、みんながそれぞれストレスを抱え、問題も抱えている。彼らのスーパーな能力=個性って考えるとすると、個性を押し殺してると、どこかで無理が出ちゃうってことなんだろうな。「出る杭は打たれる」って昔から言われているけど、人より優れた能力を持っているインクレディブル一家は「打たれない」ようにするためにその能力を積極的に使うことなく過ごしているんだよね。当然ストレスがたまるわけで、息子は学校での問題児だし、長女はクラ〜い感じだし、ミスター・インクレディブル自身もすっかり疲れ切っている様子。この映画では、そんな彼らがそれぞれ特徴的な能力を活かして敵と戦い、みんなを救ったりもする。私自身は、この映画から人それぞれの持っている能力を尊重して、そしてその能力はみんなのために、良いことのために使うようにしなくっちゃっていうメッセージを受け取ったんだけど、製作者側にそこまでの意図があったかどうかはわからない。

インクレディブル一家のそれぞれが持つ能力の中でも、ユニークだったのは「元イラスティック・ガール」のママの能力かな。とにかく身体がどんな形にもなるので、その時に役立ちそうな物に瞬時に変わっちゃう。その変身後が、「そうきますか」って感じで結構笑えたな。

昔は「アニメなんて子供の物」っていう感じだったけど、今では大人も楽しめるものから、最初から「大人向け」のものまで、アニメーション自体の社会的な地位もアップしてきたみたい。アニメーションという表現方法を使って大人が楽しむ作品を創ること自体に反対するわけじゃないけど、それでも「子供が楽しめる」っていう部分をいつまでもいつまでも残しておいて欲しいって思う。子供って、いいことでも悪いことでも、自分が観たもの聞いたものすべてから何かを学び取る力が旺盛だと思うんだけど、楽しみながら、それでいて生きていく上で大切なものをなにかテーマとして盛り込んでいるようなアニメは、今後も子供達のために絶対作り続けていって欲しいと思う。意外にそんな物から、大人が思っている以上に子供達は学んでいるんじゃなかろうか。そういう意味では、今回のミスター・インクレディブルはまさにその点では百点満点だと思うし、そういう観点から観れば、去年大ヒットだった「シュレック2」は、子供にとってはどうだったのかな?って感じ。私は観ながら相当笑わせてもらったけど、子供向けではなかったよね、きっと。

「アニメなんて!」って今でも思っている人にも、一度観に行ってもらいたいな。冒頭にも書いたとおり、映像のリアルさでいえば、影の部分に鉛筆でざざざーって塗りつぶしたみたいに描いていた「タイガーマスク」とかの荒っぽいアニメーションとは全然違うので、それだけでも、「アニメなんて!」っていう思いこみを覆す材料になりうると思う。そんなわけで、この作品も劇場に観に行く価値のある作品。

ターミナル

2005年1月15日
CMを見ている限りでは、なんか涙ポロポロの感動の作品なのかなと思っていたんだけど、どちらかというと、ケラケラ笑っちゃうコミカルなシーンが多い作品。観終わった後の感じもさわやかで、良い作品だった。多くの人に受け入れられる作品なんじゃなかろうか。

この作品、本当に空港で暮らすことになってしまったモデルがいるんだって。映画の中での舞台はNYのJFK空港だけど、そのモデルとなった人物はシャルル・ド・ゴール空港になんとなんと16年も暮らしていたんだとか。つい最近その空港から出たと聞いたけど、空港から出てどうしたんだろう?

今回舞台となる空港のシーンは、実は全部この映画のために造られたセットなんだって!!
だって、すごい広さなんだよ。空港の全景を撮るようなシーンもあるけど、これがセットだとはとても信じられない広さ!やっぱり違うね〜ハリウッド映画は。もちろん、お金をかけたから必ずいい作品が出来るというわけではないのだけど、「製作費負け」しない作品には仕上がったんじゃないだろうかね。

ケラケラ笑えるっていうのは、例えば英語のわからない日本人が何を言われても「イエス!イエス!」っていいつづけてとんでもないことになったなんて笑い話があったと思うけど、それと同じ質の笑い。トム・ハンクス演じるビクターと、法律の隙間にはまりこんだビクターを疎んじる空港職員とのやりとりの中で、「通じたようで通じてない」とか「全く通じてない」とかっていう状況がかなり笑える。

前に「ラブ・アクチュアリー」って作品を観て、このダイアリーでも紹介したと思うんだけど、その作品はたしか、最初と最後が空港でのシーンなんだよね。空港では、出会いと別れのドラマが数多く展開されているっていうようなイントロ&エンディングなんだけど、この「ターミナル」も含め、空港っていうのは創り手の感性を刺激するところなのかも。
「ターミナル」は、ビクターって言う主人公を軸とした一つのドラマが映画のほとんどを占めるけど、それでも、ビクターが縁でカップルが出来たり、自分のこれまでの生き方にけじめをつけようとしたり、他人のために自分の生活をかけようとしたり、周りの人間のドラマもそれなりに描かれていて、そういうのにも注目しながら観てもまた楽しいかも。

作品にはとても満足しているんだけど、敢えて、敢えて難クセつけさせて頂くとすると、「優等生的作品で、パンチはなかった」ってことかな。言葉が通じない同士のおかしなコミュニケーションは笑えたし、まとまりのある良い脚本なんだけど、インパクトっていう点ではそれほどでもなかったといえる。作品的にはオススメなんだけどね、なんでしょう、最近はただ単に「良い作品」というだけでは満足できないようになってきちゃったのかもしれないな〜

ハウルの動く城

2004年12月18日
観る前の私の印象としては「きっとキムタクの声の演技が下手なんだろうな〜」って感じだったんだけど、実際そんなことはなかった。時々ちょっと「う〜ん?」と違和感を感じることがなかった訳じゃないけど、でもなんかハウルの雰囲気に上手く合っていたような気がする。

お話自体は、そうだな〜目新しいストーリーはなくて、ちょっとこれまでのお話と似通ってしまった部分が多かったようにも思えた。でも、私はこの作品、結構気に入ったかも。

一番印象に残っているのは何かと今考えたら、音楽かもしれない。宮崎駿作品の音楽は毎回久石譲が担当しているけど、音楽としては私は今回の作品の音楽の方が好きかもしれない。「千と千尋〜」よりも少し落ち着いた雰囲気で、結構耳に残っている。

この作品の主人公のソフィ(ばあちゃん)は、観るたびに雰囲気が変わっていく。最初はとても不思議だったんだけど、そのうちソフィの姿は、ソフィの気持ちの若さを現しているんだってことに気づいた。そっか〜人間はやっぱり気の持ちようで、若くもなるし年を取りもするんだな。見た目はそりゃあおばあちゃんであることには違いないかもしれないけど、でもきっと「若さのオーラ」みたいな物が出ているときは腰もしゃんと伸び、逆に本当は若くても「自分なんてダメだわ」って思った途端に急にしわくちゃになっちゃんだね。

今回は作品中に戦争も描かれるわけだけど、その描かれ方はとても中途半端。戦争には反対という強いメッセージまでは感じられなかったし、「やっぱり戦争なんてだめだ」って思わせられるようなシーンはあまりなかったかも。それならどうしてこの要素をこの映画に盛り込んだのか?上手く伝えきれなかっただけなのかしら?結局そうなると、「人間なんて気の持ちようで若くなったり年を取ったりするものだ」ってそれがメインテーマになっちゃうのかしら?それもちょっとな〜

自分のためだけに生きていたはずのハウルが、ソフィを守るために身を挺するあたりは、さらりと描かれている割には結構印象的で切ない感じ。自分の大切な人を守るためには悪魔になることも仕方ないとするその姿は、現実世界でもあることだと思うけど悲しいことだよね。なんかそんなちょっと切ない感じがよかったのかもしれない。とにかく、何かはっきりは言えないんだけど、結構心に残る作品だった。

80日間世界一周

2004年12月17日
ジュール・ベルヌの小説を映画化したというこの作品。ジュール・ベルヌの作品を私自身は読んだことがないけれど、昔ディズニーランドにあったビジョナリアムというアトラクションで、ジュール・ベルヌのことを知ったくらい。彼が作品中に描いたことのほとんどは、もうすでに現実の物になっているのだからすごい。あと実現していないのはタイム・マシンだけだって。「ベルヌが創り出した世界が、科学的に可能なんじゃないか?」という路線から、科学の発達があったのだと考えると、一小説家の作品がその後の科学研究に大きく貢献したと言うことになるのだろうか?だとしたらそれはそれですごい。

この間観た、ジャッキー・チェンの80daysは最悪のできだったんだけど、それとはまた趣の違う、昔の作品。1950年代の作品だったかな。この当時の作品を通じていえることなんだろうけど、とにかくのんびりしている。の〜んびりね。何しろ幕間があるくらいだから。昔の映画には時間の制約という考え方はきっとなかったんだろうな。今はだいたい2時間で、長くても3時間程度に収まってしまっているわけだけど、それって結局興行的な問題だろう。劇場の回転をよくしないとお客さんがたくさんこないわけだから、その分映画そのものの時間は短くして、1日に何回以上入れ替えなんてことになっているに違いない。そういわれてみれば、昔は入れ替え制ですらなかった。ずっと、1日中劇場にこもっていたってよかったわけだから。ずいぶんとのんびりした時代だったんだなと改めて感じる。

さて、そんな時代を反映して、この作品もほんとにテンポがの〜んびり。まず、キャスティングも、80daysとちがって、年齢層を少しあげて、落ち着いた雰囲気になっている。そもそも、フィグにお供することになったパスパトゥは、ちょっとは活躍するんだけど、概ね足を引っ張ることになってて、しかもその理由が「女好き」というところなのも大人向けなんじゃ?綺麗な女性をみると、つい「ふら〜」っとそちらの方についていってしまい、トラブルを招いたり、ご主人様に迷惑をかけたり。「しょうがないやつだな〜」って感じなの。でも憎めないんだけどね。

のんびりの一番の理由は、別にどうってことないなというシーンをいつまでもいつまでも続くことかな。何ともない電車からの風景なんかが、良く言えば丁寧に、悪く言えば延々と続く感じ。でも、昔は今みたいにセカセカしていなくて、自分たちが行ったことのないような別の国の風景なんかをの〜んびりと楽しむ余裕があったに違いない。原住民の踊りをいつまでも撮ってたりね。それものんびりな時代だからこそなせる技なのに違いない。この映画の中ではインドとアメリカ大陸は列車での旅になるんだけど、それをみていると、列車での旅もしてみたいなと思った。最近何かのテレビ番組で、福岡・長崎間だったかな、とにかく九州地方を走っている特急列車が取り上げられていたんだけど、内装もおしゃれで、シートも革張りのゆったりしたもので、しかも座席がゆったりとってあるからとても快適そうだった。快適な列車でのんびり、とくになんともないかもしれないけど沿線の風景を見ながら旅をするというのもよいかもしれないと、この映画を観て改めて思わされたりもした。

最後のおちも、この映画だと説明がつく。80daysでは、敵というか、フィグをじゃましようとする相手方も一緒になって、間に合っただの間に合ってないだの最後の最後までガタガタやるんだけど、それっておかしいと思っていたんだよね。だって、待っている方は1日時差があるなんてことに気づくはずがないもの。「何月何日に帰ってくるはず」ということで、待っている方としては、その日が期限の日じゃないということに気づいていないとおかしいじゃん!
今回観た方の作品は、1周してきたフィグが勝手に勘違いしていったんはガックシ来ちゃった訳なんだけど、待っている方はその日だと思ってずっとずっと待っていたわけだから、そうそう、このエンディングが正しい姿だと思うけどな。

映画の最後に、「誰がどのシーンででていたでしょうか?」っていうのがあって、どのシーンでどの役者さんがどんな役で出ていたかが示されている。このシーンの造りは、「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の最初のシーンと雰囲気が似ている。そっか!この作品は50年代の作品だったな。「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」も50年代を描いているわけだから年代的にはぴったり。スピルバーグもその辺意識したのかな〜それとも、50年代の映画といえばこういうのが当たり前なんだろうか?

長かったので一気にみずに、我々も幕間でいったん区切ってみた。観ているときは「のんびりだな〜」と、そのテンポに少し眠くなりそうになったときもあったんだけど、結局こうして考えると、結構楽しんでいたと言うことになるんだろうな。ま、少なくとも80daysよりはずっとずっとましさ〜

スカイキャプテン

2004年12月15日
正直言ってそんなに期待してなかったんだ。ジュード・ロウとグイネス・パルトロウとアンジェリーナ・ジョリーが出演しているっていうだけで、「俳優だけで客を集める映画?」と思ってしまっていた。でも、そんな予想に反して結構おもしろかったのよね〜

まず、舞台は第1次大戦後のアメリカという設定だと思う。でもあまり深く考えない方がいい。これはこれで、歴史上の事実とは切り離された独自の世界だと思うことにしよう。最初は高層ビルに飛行船を着岸(?)させる所から始まるのだけど、ここで「へ〜」と思ってしまった。先月NYに行ったときにエンパイヤステイトビルに登ったんだけど、その時借りたオーディオガイドでも同じことを言っていたから。このビルが立てられたときは、屋上に飛行船を着岸させることを考えていたらしい。ところが、いつもあまりに強い風が吹いて飛行船を安定させることが出来ないために結局一度も飛行船はエンパイヤステイトビルには着岸できなかったらしい。その日はものすごい強風で、本来なら展望台フロアは外に出られるのだけど、飛ばされそうだし外には出られなかった。そんな強風の日だったからその解説は妙に説得力あったな。ま、そんなことはさておき、映画ではちゃんと飛行船はビルに着岸するのだ。でもさ〜仮に着岸できたとしても、飛行船とビルの間を行き来するのって相当怖いと思うな〜
誘拐されるみたいに何か大きな袋に入れられて、多少乱暴に扱われたとしても下が見えない状態で船とビルの間を行き来したいものだ。自分の足で、なんて言われたら足がすくんで乗ることも降りることも出来ないに違いない・・・

時代設定がそんな感じだから、マシン達もどこか古くさい。その当時にはもちろんなかったと思うけど、この作品の中では現代でも使えそうなハイテクなマシンがたくさん出てくる。デザインこそ古くさく作っているけど、性能的にはジェームズ・ボンドも思わず使いたくなっちゃうくらいのハイテクマシン揃い。空を飛んでいた飛行機がそのまま潜水艇になったり、今で言う空母がそのまま空に浮かび上がったような「移動式滑走路(?)」とかね。飛行機が潜水艇に変わる瞬間の、プロペラが羽の前方から後方にスライドしていくところなんてかなり私の心の琴線に触れました。ちなみに出てくるロボットもやっぱりデザインは古くさくて、2種類出てくるんだけど、そのうちの一つは「天空の城ラピュタ」みたいな感じ。そっくり。

そんなわけで、「キャストだけで客を呼ぶ映画」と思っていた割には、キャスト以外のところで十分楽しませてもらった。あとは、グイネス・バルトロウとジュード・ロウとアンジェリーナ・ジョリーの絡みを楽しめばよいかと。グイネスとジュードは元恋人同士という設定で、お互い憎まれ口ばかり叩いている。そのセリフが結構おもしろくて、こちらの方も楽しめた。アンジェリーナも「ここで現れるか!」という感じだったし。変にロマンスを盛り込むんじゃなくて、どちらかというと笑いのネタとして、スパイス程度にこの映画に加えたという感じがかえってよかったかも。

敢えてこの映画の難点をあげるとすると、私としては博士達が命を失う羽目になっても隠し通し最後はグイネスに預けたブツの意味が、映画の中ではたったの一言の説明で終わってしまったことと、敵である天才博士がどうしてそんな結末を迎えたのかについてもあまり説明がなかったことかな。別にそれについて詳しい説明がなかったからといってストーリーが台無しというわけじゃないんだけど、「どうして?」という疑問が私の中には残ってしまったのでした。ただ、そういう意味では、やや小難しくなりがちなそういうあたりの説明を省いたことで最後まで一貫してこの作品の軽くて面白い感じが失われずにすんだのかもしれない。

そんなわけで、そんなに期待していなかった割にはこの作品もなかなか楽しめた。続編を作ってもよいかなと思うくらい。

コラテラル

2004年12月8日
もっともっとアクションムービーかと思っていたけど、これはアクションムービーと言うよりは人間ドラマって感じだったように思う。結構地味。でも、がっかりする地味さじゃなくて、「渋い映画作ったな〜」って感じ。

観る前の私のイメージでは、ダイ・ハード3みたいな、二人組ドタバタ系のアクションムービーを想像してた。ま、ダイ・ハード3ではお互いが悪態つきながらも協力し合っているのに対し、今回はそもそも協力関係にはないという点で大きく違っているけど。だけど、作品中ではあたかも二人がチームであるかのように思えるシーンもあったりして。

私は気づかなかったんだけど、冒頭のほんの一瞬、トム・クルーズ扮するヴィンセントが空港で鞄をすり替えるシーンがあるんだけど、その時に鞄を持ってきたのは、「トランスポーター」に出演していたジェイソン・ステイサム。他の映画では主役を張る彼が、どうしてこんなちょい役なのかと思ったけど、ちゃんと「トランスポーター」として出てるのね。ヴィンセントは依頼主に顔を見せない主義らしいので、依頼主から彼への武器や資料の受け渡しはトランスポーターのような人を使わないとだめってわけか。納得。

人間ドラマっぽいと言ったのは、この映画の中ではアクションムービーでは普通はなさそうな、登場人物の心の中をちらりと見せるようなシーンがあるところかも。ヴィンセントが自分のターゲットの一人を殺しに行くときにものすごい騒動が起こるんだけど、危うく殺されかけたマックスを思わず助けて、セリフはないんだけど「なんで助けたんだろう?」って自問自答するかのような表情のシーンもある。

それから、ヴィンセントに脅されつつ、仕事場まで運ぶ役になってしまったマックス。彼は自分の夢を実現するために今はタクシードライバーをしているっていう設定で、将来はリムジン会社を自分で経営するのが夢だと、この映画の中で2回ほど話すシーンがある。で、もうストーリーも佳境にさしかかった頃に、そんなことを言いつつも結局思い切って踏み出すことが出来ず12年間もタクシードライバーをやっていることについてヴィンセントに責められ、自分でもその勇気がなかったことを認めたりする。これもやっぱり人間ドラマって感じ。

全然ストーリーとは関係ないんだけど、マックスを演じているジェイミー・フォックスは私と同じ誕生日だ。ちょっと親近感。

この作品、あまりヒットしなかったみたいだけど、私みたいに派手なアクションを期待して観に行った人にとっては期待はずれな結果なのかも。私もアクションムービーと思っていたその点については裏切られた訳だけど、でも結構良かったと思う。

恋はハッケヨイ

2004年12月6日
タイトルから、恋愛と相撲が絡むということは容易に想像がつく。だけど、話の内容はタイトルからだけでは想像つかなかったな〜

まず最初に「え?そうだったの?」と思ったのは、主人公のデイジーとケンが夫婦だってこと。カップルなのはわかってたけど、まさか結婚していたとは!タイトルに「恋」なんてついているから、デイジーが恋をかなえるお話と思いきや、二人はすでに夫婦なのね〜。話の途中になって、「プロポーズしたときのこと覚えてる?」なんて言い出してはじめて気づいたよ。

あとは、このケンはいわゆるデブ専ってやつらしい。
デイジーがもう少しやせなくちゃなんていおうもんなら「絶対だめ」なんていうくらい。ケンは失業などいろいろ重なってちょっとヤバい状況にハマってしまうものの、基本的にはデイジーのことが大好きで、デイジーのことを「my princes」なんて呼ぶくらい。女の子だったら一度は言われてみたいんじゃないでしょうかね。

あともう一つ、まさか想像しなかった展開があったんだよね〜。でも、この映画を観る前にこの日記を読んじゃう人にこれを言っちゃうと、絶対楽しみ半減だと思うのでやめときます。「そうくるか?」って感じよ。ほんとに。

シェフィールドって、昔は鉄鋼業で栄えていたけど今ではその反映は見る影もなく・・・というふうに聞いている。「フル・モンティ」もシェフィールドが舞台。あと、「リトル・ダンサー」でも、お父さんとお兄さんが労働争議に加わっていていたけど、あの映画の舞台はダーラムっていう炭坑の街なんだって。鉄鋼に炭坑・・・どちらも失業の香りがプンプンする業界だ。

しかし、今回のものも含めて、イギリスの失業ものの映画をみるといつも思うんだけど、みんな失業してても食べて行くには全然困らないってことなんだから、よっぽど社会福祉が充実していると思われる。日本で失業したらもっと苦しいんじゃないんだろうか。逆に、「クビを切っても死ぬことはないだろう」なんて思って、会社の方も簡単に解雇しちゃってたりするんじゃなかろうかね。日本の場合は「社員とその家族が路頭に迷う・・・」って本当に路頭に迷っちゃうからなかなかクビも切れないかも。(最近は違うけどさ)

だいぶ話が横道にそれました。
この映画の中では相撲のシーンがいろいろ描かれているんだけど、いくつかちょっと変なところはあるけど、おおむね忠実なんじゃあないでしょうか?練習とかはちょっと変だし、デイジーのが四股を踏むときもちょっと違うような気もするんだけど、「おいおいそれは違うだろう!」って明らかに日本を勘違いしちゃっているっていう部分はあまり気にならなかったような気がする。実際、映画の中で試合前に女性力士達がみんなで土俵を取り囲み、手をあげたり、化粧まわしをちょいと持ち上げたりするシーンがあるんだけど、その後たまたまテレビでやってた大相撲秋場所を観ていたら、同じ動きだったもの(少なくとも私には同じに見えた)。よく、「方言指導」とかって特別に人をつけることがあると思うけど、この作品にも「相撲監修」なんて役割の日本人がクレジットされていたんじゃなかろうか?あ〜DVD返す前に確認してみればよかったな。

ま、そんなわけで、タイトルから想像されたストーリーに意外な要素を絡めて展開させたストーリーが結構楽しめたこの作品。派手さはないけど、なんだか心温まる作品だったよ。
これは、映画の「ロック・ストック&トゥースモーキングバーレル」って映画が好評だったので、その続編のような形で作られたテレビ番組らしい。今回借りたDVDにはEpisode2からEpisode4までが入っている。つまり、Episode1は映画ってことね。映画の時の監督だったガイ・リッチーが製作総指揮をつとめたらしい。というだけあって、俳優は変われど、雰囲気は同じで、まあ1時間ドラマだから映画に比べれば短いエピソードではあるんだけど、それでも十分楽しめる。

しかしこの作品、脚本が秀逸だよね〜よくできている。水戸黄門みたいに、なんだか面倒なことに巻き込まれたとしても、結局最後にはなんだか丸く収まっちゃうんだろうなという予測はつくんだけど、その過程は想像がつかない。たくさんの人間関係を巧みに絡め合いながら、最後にはすっきりまとめてしまうわけだから、これは脚本が上手くないと楽しめないもの。DVDには特典映像として、各エピソードの登場人物の相関図が出てきたりするんだけど、きっと脚本を書く方も、こういう相関図とかを確認しながらストーリーを決めていくんじゃなかろうか。

ジャンキーのオランダ人の兄弟だの、ギャングのボスだの、怪しいヤツ、危ないヤツ満載のストーリーで、そりゃあいろんな人がバタバタ死んでいくんだけど、ぜんぜん笑ってみられちゃう感じ。(それはいいのか悪いのかは別としてね)ふざけた感じがまたいい。気軽に楽しむのには最適な作品かな。次のEpisode5-7を観るのが待ち遠しい。

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