原作を読んだんだけど、こちらの方はあまり感心しなかったので、公開されているときも全然観に行こうとも思わなかった。だけど、この間ラブ・アクチュアリーを観て、とっても良くて、そしてこのブリジット・ジョーンズの日記は、ラブ・アクチュアリーのスタッフと同じだと思い出した。
そんなわけで、改めてDVDで観てみることに。

結果は大正解。
やっぱりヒュー・グラントの出ている作品に外れはない。私は原作を本で読んだときよりも、この作品の方がずっと楽しめた。
どうしてなんだろう?台本がおもしろいのと、キャストがぴったりはまっていることなのかもしれない。レニーはこの映画のためにかなり体重をふやしてぽっちゃりさんになっていた。その体型で、「仮装パーティー」のときにバニーちゃんの格好をするんだけど、もうこの格好がとても女優とは思えないくらい。脇と胸のところから肉がはみ出していたりして、結構すごい。
でも、もしもブリジットがスマートで全然太っていない女優さんが演じていたら全然おもしろくなかったはずだから、この役のためにイギリスなまりを勉強し、体重もふやし、名前を伏せて雑誌の編集の仕事を少ししていたと言うから、そんなレニーの努力が、原作をよりよい者にしたことは間違いない。
あと、ヒューがまたはまり役なんだな・・・
彼自身、メイキングの中で「最近いい人の役が続いていたので・・」なんて、もうすっかりその気でダメ男になりきっている。お堅いダーシーの役も、コリン・ファースがはまってた。

そんなわけで、この作品には大満足。どうしようもないドジ連発で思いっきり笑わせてくれるブリジットが最高だった。最後のパンツとスニーカーで雪の中を走って追いかけるシーンも、本当はロマンチックなシーンなのかもしれないけど、私は大笑いだった。

この映画の中では、ラブ・アクチュアリーみたいに涙がポロポロ流れるところはなく、きわどい会話やドジぶりや、はちゃめちゃぶりで大笑いしてすっきりできる、そんな映画かな。

ハリウッド映画はとにかくお金をたくさんかけて、爆薬とかもたくさん使って、アクション満点、CG満載の「大作」「超大作」っていうのが多い。それに対し、イギリスの映画って、人々の日常を切り取ったような作品が多くて、おそらくかなりの低予算。それでも、リトルダンサーみたいな大ヒットを飛ばしたり、大ヒットじゃなくても、私は大好きな作品がたくさんある。
「こんなに低予算でも、気の利いた台本と上手い俳優がいれば、こんなにおもしろい映画を作れるんだから」って、なんだかハリウッドを皮肉っているような、そんなイギリスの映画が大好きだ。

ピッチ・ブラック

2004年4月13日
DVDで観た作品。
ヴィン・ディーゼル以外は聞いたことのない出演者ばかり。恐らく予算もかなりお低予算で作られたと思うのだけれど、それでも「そりゃあないよ」ってがっかりするようなシーンはなくて、とても丁寧に作られていた作品だと思った。
SFの要素と、人間が極限状態に陥ったときに見せる残酷さなんかを描くパニック映画的な要素も併せて描かれている。

近未来の映画で、宇宙船で銀河を旅することが出来る時代。ある輸送船が惑星に不時着するところからこのお話は始まる。不時着で乗客の多数とクルーが死んでしまい、残った者達は、敬虔なイスラム教徒の親子4人と、古物商のフランス人?と、警官、護送中の囚人、一人旅の子供に、女性一人、男性一人。あと女性乗組員。

最初はこの護送中の囚人が、次々に生き残った人たちを殺していって・・・というお話かと思ったんだけど、そうじゃなかった。この惑星には、得体の知れない生き物がいて、絶望的な状況の中でどうやって生き残っていくかというお話になってくる。パニックに陥った人というのは死んでしまう。最後までなんとか正気を保てた人が生き残るのだけれど、私自身はすぐにパニックに陥っちゃうからダメだな。真っ先に死んじゃう人っぽい。

テーマ的には一つ間違えばどうしようもないB級作品になりがちなテーマなんだけど、冒頭に書いたとおり、おかしなところが少しもなく、最後までしっかり観られる。しかも、終わったときの後味も悪くない。ハッピーエンドとはとうてい言えないまでも、少し希望の残る終わり方もよかった。

ヴィン・ディーゼルの目は義眼という設定になっているんだけど、実際の彼が義眼なわけないから、あれは彼の本当の目なのかな。本当にガラスかと思うくらい、とてもきれいな目が印象的だった。

ペイチェック

2004年4月5日
最近なかなか映画を観に行く時間がなくて、観に行っても「もっともっと」に書き込み出来ずにいました。ふぅ。こうして考えてみると、2時間とか3時間とか、まとまった時間を映画のために使う。それって結構贅沢なことだよな〜。しかも劇場に観に行くって事は、当然劇場に行く時間もかけるわけで、ご飯を食べてきたりもするし、やっぱり時間に余裕がないとできないことかも。

さてさて、本題に戻りましょう。
公開されてずいぶんたつけれど、やっぱりネタばれは避けた方がいいよね。

この作品はストーリーがおもしろいというか、アイディアがよかった!もしかしたら他にも同じようなお話があったような気がしなくもないのだけれど、まあおもしろかったから良しとしよう。

ベン・アフレック演じる主人公は、その天才的な頭脳を活かしてヤバい仕事を引き受けながら生きているんだけど、ある仕事を終えて記憶を消して、多額の報酬を得るはずだったのに、報酬の代わりに受け取ったのはがらくたばかり・・・ピンチに次ぐピンチをこのアイテムをいろいろ使って乗り切っていくというストーリーにはついつい引き込まれてしまう。
あいかわらずベン・アフレックのアクションはちょっととろいんだけど、これはアクションをみせる作品じゃないと割り切ることにしよう。
ユマ・サーマンとの組み合わせは私にとってはちょっと以外ではあるのだけれど、相変わらず彼女はキレいだし、キル・ビルほどじゃないにしても芯の強くて賢そうな女性を演じていた。

ストーリーが進むにつれて、主人公がどんな仕事をしたのかが次第に明らかになっていく。最後の最後になって、突然、ほんとに突然、全く唐突に白い鳩が出てくるんだよね・・・ジョン・ウーは自分の作品に絶対白い鳩が出てくるらしいのだけれど、何もこんなに無理矢理出さなくても。それまではこの作品をかなり評価してたんだけど、この白い鳩はちょっとマイナス。

ま、この作品には深さはないけど、エンターテイメントとしては楽しめる。アクションスターといえば・・・とすぐに名前が出てくる俳優達がどんどん年を取ってきて、そろそろアクションが厳しくなってきている今日この頃。ベンは、そうだな〜もうちょっと早い動きをみにつけるか、速く動いているような編集とか特殊効果を使うとかすればアクション俳優になれるかも。がんばれ!ベン(余計なお世話?)
「ヒュー・グラントの出ている作品に外れはない」という説がさらに裏付けられる形となった。とてもいい作品。

作品の中で何カ所も、ポロポロ涙が止まらない場面がありました。それも、結構最初の方からそういうシーンがある。この涙は、悲しくて涙が出るのではなくて、なんか感動しちゃって、ジーンときて自然に出るというもの。悲しくて涙が出てしまう作品だと、見終わった後虚脱感というか、ちょっとグッタリしたような感じがすると思うけど、この作品は、観ながらあんなにポロポロ泣いてるのに、見終わった後はむしろ元気になれるような感じ。

作品の最初と最後はヒースロー空港のシーンなのだけれど、この場面もとても素敵だなと思う。この作品を作った人のうちの誰かが、実際に感じたことなんじゃないだろうか。日本人は、イギリス人ほど愛情表現が大きくないので、キスしたりハグしたりしている人は少ないかもしれないけど、でも、成田空港でも、やっぱり同じようなことを感じることが出来るだろうか。

作品は、ものすごくたくさんの登場人物がいて、その人たちがちょこっとずつどこかでつながっているという設定になっている。そのせいで、やや「無理がある」というか「そんな偶然ってあり?」って思える部分がないわけじゃないけど、そんな細かいこというのはやめましょう。あと、あまりにたくさんの登場人物がいるので、「誰が誰だっけ?」とか「このエピソードって誰の話だったっけ?」と、つながりがわからなくなってしまうこともある。たくさんのカップルや親子、兄弟、友達の関係が描かれているから、それは仕方のないこと。ちょっとくらいの「アラさ」には目をつぶって、素直に観れば、なんだか元気になれること間違いなし。
派手さはないけれど、本当にいい作品! ま、劇場でなくてもいいかもしれないけど、絶対おすすめの作品です。
ついに完結してしまいました。この3年間、1年に一本ずつ、毎年心待ちにしてきたので、これでとうとうおしまいかと思うとなんだかとても寂しい。アカデミー賞も、結局ノミネートされた11部門すべてを受賞して、歴史にその名をしっかり刻みつけたと思うけれど、仮にアカデミー賞を受賞していなくったって、私の心にはしっかり残ったとても思い入れの深い作品となったのでした。

原作を読んでいるので、ある程度ストーリーはわかっているのだけど、それでも「次はどうなるんだろう?」「あの場面はどんな風に映像にするんだろう?」と興味の尽きない作品でした。
3時間半と、とても長い作品であるにもかかわらず、その長さを感じさせないで一気に観ることができる。
原作ではいくつものエピソードが絡み合ってお話が進んでいくのだけれど、やはり映画ではそれらすべてを映像化することは、時間の制約もあってできなかったみたい。
その結果、「あ〜あのエピソードを省略しちゃってるから、このシーンは唐突に思えるかもな」と思えたりするところがあって、正直言ってこのお話のファンとしては悔しいくらい。
あれもこれも、あのエピソードも全部盛り込んで映画化されていれば、もっともっとわかりやすくて物語にも深みが出て。たくさんの人が感動するんじゃないかなって思うとねー、「時間」という枠が恨めしく思える。

ま、それでも十分すばらしい作品であることには違いない。あれだけ壮大なファンタジーを、あのくらい高いクオリティで映像化したピーター・ジャクソン監督には、オスカー一つじゃ足りないくらい。
今作品で、「上手く映像化したな〜」と感心したのは、ミナスティリスの街というか城というか。イメージ通りの映像で、真っ白で美しいのだけど、何重にも張り巡らされた城壁は堅牢さもしっかり表現。
ペレンノール野の闘いの迫力もすごかった!
まだ観ていない人のためにストーリーには詳しく触れないけれど、この作品はやっぱり劇場で観てほしいと思います。
そして、必ず1作目と2作目を観ていない人は、DVD・ビデオでチェックしてから観に行ってくださいね。観に行く時には水分の摂取には十分ご注意を!3時間半の長丁場で、目を離せるシーンは一つたりともないので、トイレになんか行ってられません。

もう一つオススメなのは、作品が終わって流れるエンドクレジット。
今回はキャストの似顔絵のスケッチが背景になっているんだけど、すごくいい雰囲気の絵なのです。
ふだんはお話が終わってすぐに返っちゃう人も、このスケッチの部分は是非観て帰ってほしい。

あ〜終わっちゃったんだな〜。
あとはたくさんのカットシーンを盛り込んだDVDが発売されるのを待つしかないか。きっとあれこれたくさんのシーンが追加されていると思うので、それは楽しみです。
オススメの作品!映画史にすばらしい作品!とにかく私の中では大絶賛です。
二作目が公開されて観に行ったとき、「復習は一切なしか〜厳しいな〜」と思った。そう、これまでのストーリーの紹介なんていうのはいっさいなく、一年前に観た作品なのに、あたかも直前に観て観客は当然ながらこれまでのお話は完全に把握しているという前提で始まる。
このDVDもそうだった。
だけど、旅の仲間に比べて、「こんなシーンがカットされていたんだ」というところがよくわかる。

特に、「このシーンはカットしないで入れておいた方が話がよくわかるんじゃないかな」と思ったのは、ボロミアとファラミアのシーン。
ボロミアは父デネソールにとてもかわいがられていて、ファラミアはなぜか疎まれている。兄弟同士はお互いをとても信頼しあっているのに。
ボロミアとファラミアは性格も違っているようで、それが父にかわいがられたり疎まれたりする原因になったようではあるけれど、結局その性格の違いが、二人の運命を分けたとも言えるのかもしれない。
そう、このシーンは絶対あったほうがいいと思うの・・・

映画雑誌などを読んでいると、今週末公開される最終作でも、たくさんのシーンがカットされているらしい。クリストファー・リー扮するサルマンのシーンがカットされたと知って、そのシーンをカットしないように求める署名がたくさん集まったとも。
監督は、作品全体のテンポなどを考えてカットしたといっていて、そのカットされたシーンはDVDには入るらしい。
こりゃあ三作目も必ずDVD買わなくちゃね・・・・

二作目で私がいつも好きで笑っちゃうシーンは、やっぱりエントがものすごく怒ってアイゼンガルドを水浸しにしちゃうシーン。それまではメリーとピピンをいらいらさせながらまたしておきながら「今ようやくお互いの挨拶がおわったとこ」なんてずいぶんのんびりやってたエント達も「やればできるんじゃん!」と拍手喝采したくなるくらい大活躍なのだ。
サルマンも手も足も出ないくらい。重たい作品の中にあって数少ない、楽しんでみられるシーンでもある。

さらに追加されたシーンには、ヘルム峡谷での闘いに敗れたアイゼンガルドのオーク達が逃げ帰った後どうなったかというシーンもある。古森はだまって森の仲間達をただ切り倒されていたわけではなかったのね。

今週末から始まるのだけど、いろいろ用事があって、来週末までは観に行けそうもないな。残念。
早く観に行きたいな〜
いよいよ今週末にはシリーズ最終作が公開される。
その前に、DVDで前二作を復習ということで、まずは一作目の「旅の仲間」。
DVDでは30分以上、公開時にはカットされてしまった場面が追加されている。
「う〜ん、このシーンはなかったかな?」とおぼろげながらわかるシーンもあるけど、もともと長い映画なのでさらに見応えが。

改めてもう一度観てみると、もちろん演出や俳優さん達の上手さもあるとしても、それぞれのキャストがピタリとはまっている。
私が一番はまり役だな〜と思っているのは、ガラドリエル役のケイト・ブランシェット。エルフの女王という役柄がぴったりで、神秘的であり、少し近寄りがたいほどの気高さがあって、しかも美しい。リブ・タイラーのアルウェンもはまり役だなと思うのだけれど、やっぱり私の一押しはガラドリエルかな。

公開時に一作目を観たときは、そのずしりと重い作品に「すごい映画ができたな」と感心した。トールキンの原作自体もすばらしいのだと思うけど、あの物語がもっている重さ、読む人に問いかけるようなメッセージ性、どうしてこんなお話を思いついたのだろうと思わせる壮大なファンタジー性、そういったものを見事に映像化しているなと思った。
でも、一作目は、二作目に比べると、やっぱり「序章」でしかないという感じなのだ。
一作目よりは二作目の方がおもしろかったし、ということは、最終話に対しても否応なしに期待が高まる。

この作品の感想を書くのは難しい。
とにかくとても印象的であることは間違いない。
旅の仲間達のそれぞれのキャラがしっかり映画で描かれていて、それぞれのキャラに対してとても親しみを感じたりもする。
だけど、いちばん「堪える」のは人間の心の弱さが描かれているところかな。人間の心がここまで弱くなければ、もしかしたらエルフやホビットたちも、今でも仲良く一緒に暮らしていたかもしれないと思ったりもする。
結局お話の中でも、人間が力の指輪を捨てられなくなってしまったために、ホビットのフロドが後世にあんな重荷を背負わなくてはならなくなってしまったり、サウロンから指輪をもらった9人の人間達はナズグルになってしまうし、ボロミアも最後は改心するものの、指輪の魔力に負けてしまうし。人間は心の弱い人間であるように描かれていたように思う。

日本語訳されている指輪物語は、その訳がちょっと不自然だったりするのであまり入り込めないのだけれど、その代わりといってはなんだけど、この映画が、あたかも本を読んだ後のようなずっしりとした印象を与えてくれる。
本の名作はずっと読み継がれていて、「あの作品は読んだかい?」なんて話題にもなるだろうけど、指輪物語に関しては、「指輪物語は観たかい?」っていう感じで語り継がれるような作品になるんじゃないかな。

シービスケット

2004年2月7日
ストーリーは、実話をベースにしているだけあって、つじつまの合わないところなどはあまりない。全体としても感動作品に仕上がっているけど、映画作品としては、前半やや苦しいか。
ストーリーでは3人の人間がコアになる。
前半はその3人が出会うまでの悲しい過去をそれぞれ展開しているのだけれど、3人分をかくものだから、「ぶつ切り」感があって観ていてちょっと落ち着かない。
なかなか登場人物達に感情移入できないのだ。ま、カウボーイのトムはともかく、馬主のチャールズとジョッキーのレッドが悲しい過去をもっているということはわかるんだけどね。
だけど3人が出会って、シービスケットという馬を強い馬に育てていくうちに、人間達の方も成長したり、壁を乗り越えたりしていく様子が描かれるのだけど、映画に引き込まれるのはこのあたりからだろう。
シービスケットが世紀のマッチレースに勝つまでは、とにかく登場人物同様「勝てるだろうか」とどきどきしながら観ることが出来る。
チャールズとレッドとスミスの関係は、一緒に目標に向かうチームでもあり、良き友人であり、そして「家族」のようなものかなと思う。
チャールズがレッドのことをどんな風に思っているのかということは、映画の中でははっきりわかるようには描かれていない。
だけど、息子が死んだ悲しみの中で使っていたちっちゃなおもちゃのゲームをレッドの手術中にずっともてあそんでいる様子や、歩くこともままならないレッドがまた馬に乗ることに最後まで反対する様子は、息子に対する父親の姿そのものだったようにも思う。
小さな体で、挫折にも負けずにまた栄光を勝ち取るシービスケットが、暗い時代の人々の心に光を与えた事実をもとにした映画だけあって、後味のいい映画に仕上がっていました。
ま、日本にも、102連敗して人々に愛されているハルウララなんて馬もいるけどね。今は「当たらない」ことで人気を博しているハルウララだけど、今度武豊が騎乗して勝っちゃったら、その後の人気はどうなるのかしら。
ストーリーも、その中にふんだんに織り込まれる笑いの質も、アクションも、シリーズの中で最も優れている。そして、出演しているキャストも豪華メンバー。

この作品をこれだけ優れたものにしたのには、やはりショーン・コネリーの存在感が大きいと思う。
革ジャンに帽子とかなりラフな格好のインディに対し、きちんと背広を着て鞄ももって、きちんとしたみなりの父親は、その見た目同様、インディと正反対のところがいくつかある。ピンチになってもあわてる様子もなくなんとなくおっとりした感じとか、武器を使うのはあまり好まない様子とか。そうかと思うと「やっぱり血は争えないね」というところもあって、古い時代の伝説や謎を解き明かそうと情熱を傾けるところとか、美しい女性をみると手を出さずにはいられないところとか。そんな愛すべき父親をショーンが絶妙に演じていると思った。

この作品はDVDでみたのだけれど、特典映像として出演者達のインタビューなんかも収録されている。たいていのキャスト達は、現在のインタビューなんだけど、撮影当時のインタビュー映像として登場するのが、今は亡きリバー・フェニックス。まだ若くて、少年のちょっと「つっぱった」というか「かっこつけたがる」感じがインタビューにすごく現れていて、あんなの全然怖くなかったよとか、自分なら出来ると思ってたよとかって強がっている感じだった。彼ももし生きていればもう中年のおじさんになってるんだろうな。

この作品の中では、「笑いの要素」もかなり盛り込まれている。
私が好きなシーンは、お父さんとマーカスとの敵の戦車の中でのシーン。もともととらえられているマーカスを助けに行ったお父さんも、結局戦車の中で捕まってしまうのだけど、この二人にはあんまり危機感がない。
ピンチをピンチと思っていないのだけど、その違和感がかえっておかしさを増している。
あと、飛行船に乗り込んで逃げようとしたところ、敵にばれて追いつめられたところを、乗組員の制服を着たインディが飛行船からその敵を放りだしてしまうシーンがある。その後、のかの乗客に向かって「チケット持ってなかったから」といった途端に客達が自分のチケットを取り出して彼に向かって見せるシーンも笑える。

アクションもかなり迫力がある。
戦車のシーンが一番印象的かな。あと、バイクチェイスのシーンもよかった。あのバイクチェイスのシーンは、どうやらジョージ・ルーカスの「庭」で撮影されたらしい。庭でバイクチェイスって・・・やっぱり違うよね。

スピルバーグがこの作品で描きたかったのは親子愛らしい。
それは最後のシーンでパパが「インディアナ」と諭すような声で呼びかけるところに凝縮されているような気がした。

二作目がやや駄作っぽくなってしまっただけに、シリーズの最後をこの最高傑作で締めくくれてよかった。リバーを含め、出演者の何人かはもうこの世にはいないのだけれど、20年近い時を経て観ても、これだけ楽しめる作品を残せたのだからすばらしい。大満足の作品でした。
普段映画は字幕で観るのだけれど、これは吹き替えで観ました。マーリンの声がノリさんだってことは、最後まで気づかなかったんだけど、ドリーが室井滋だっていうのはすぐにわかったかな。
芸能人の吹き替えって結構外れのこともあると思うけど、この映画は大丈夫だったので「ほっ」。アニメじゃないけど、今までちょっと観ただけで一番ひどかった吹き替えは、竹内結子と妻夫木聡の吹き替えだった「タイタニック」かな。どうしようもない吹き替えだった・・・

ま、それはさておき、ファインディング・ニモは、とてもいい作品でした。「笑い」っていう要素についていえば「モンスターズ・インク」の方がすごかったんだけど、お話全体としてはとてもよくて、大人も十分楽しめるアニメーションになっていたと思う。

お話は、人間に連れて行かれてしまったニモを、マーリンがさまざまな出来事に出会いながらもなんとか探しに行くってお話。

まず、海の仲の描写がとてもキレイ。珊瑚礁や魚たちが色とりどりに描かれている。でも、この映画で何よりもすばらしいのは、海の仲間達のキャラクターがとても上手く描かれていること。
マーリンはやたら慎重ですぐ落ち込んじゃう。ドリーは物忘れが激しくて、困ったことや痛い目にあっても、それをすぐに忘れちゃって、とてもポジティブな性格。ニモは、パパに守られて育ったせいか、ちょっと引っ込み思案で恥ずかしがり。他にも、鮫のブルースやウミガメのクラッシュ、そして水槽の中の仲間達。カモメ、ペリカン・・・とにかく、生き物達がとても魅力的なので、あっという間に話に引き込まれてしまう。

お話の中には、本当にいろんな要素が盛り込まれている。マーリンとニモの親子愛はもちろん、マーリンとドリー、ニモと水槽の仲間達との友情、マーリンがちょっと過保護なこと、ニモがマーリンから離れていろんな経験をしたことで成長することなどなど。
マーリンがニモを探して旅を続けていることが、海の仲間達に次から次へと伝わっていくシーンがあるのだけれど、「父親の鏡だね」なんていいながら伝えられていくシーンに、なぜかとても感動してしまった。

1時間半ほどの、映画としては短い作品だけど、満足度はとても高い。楽しくて、うきうきして、でもドキドキハラハラ、そしてちょっとほろりとくる、良い作品です。


テアトル銀座で見たんだけど、「たまにはこういう作品もいいかな」という、見終わったとなんだかほのぼのとする作品。いろんな人たちが一つの家に暮らしていること、そのみんながそれぞれいろんな考え方を持っていることなどなど、自分の価値観とはかなりかけ離れた生活が繰り広げられているので、最初は「???」という感じだった。でも、この「???」という間に、登場人物の特徴が描かれているので、その後のストーリーにはぐいぐい引き込まれていく。

詳しいストーリーは書かないようにしたいのだけれど、私が一番好きだったのは、主人公達のおじさんが突然キレるシーン。それまで緊迫した雰囲気が一変して、私はもう大笑い!
あと出てくる登場人物で、地味だけどものすごく人間味があって大好きだったのは、主人公達のお父さん(配管工らしい)に、修理を頼むおじさん。おじさんは離婚して寂しい生活を送っているのだけれど、わざと壊したりして主人公達のお父さんを呼んだり、このお父さんがお母さんとよりを戻そうとやってくるときに、一緒について来たりしてくれるのだ。

そして何よりもこの映画をハッピーにしているのはラストシーンだろう。
どのシーンでこんなにほろほろっと来たのかは思い出せないのだけれど、見終わったときにちょっと涙をぬぐったりして。ストーリーとしては派手さはまったくないのだけれど、心が温まるいい映画だったように思う。

シャンハイナイト

2003年12月2日
ジャッキーファンなら観に行ってもいいかなって思うけど、まあ、DVD出てからで十分でしょう。シャンハイヌーンという一作目の続き物なんだけど、一作目にましてとにかくおちゃらけ。でも、笑えるという点では笑えるかも。
「ジャッキーの作品だし、絶対笑っちゃうよなー、一人うるさかったらどうしよう」とちょっと思っていたのだけど、そんな心配は全くなし。劇場はガラガラで20人もいないくらいなのに、みんな笑う笑う。笑いつつも、親子の絆とか、友情とか、そういうものでほどよくほろりと涙も誘いつつ(でも他のシーンで笑いすぎてるから全然泣けないけどね)一つの作品としてまとめてます。

見所はジャッキーのアクション。そこらにあるものを使いながらたくさんの敵と戦うシーンは「さすが」と思います。私がシャンハイ・ナイトの前にジャッキー作品を観たのが「タキシード」で、こちらは超ハイテクタキシードのおかげでばたばた敵を倒すっていう感じだったから、ジャッキー独特の動きというのはそれほどなかった。シャンハイ・ナイトでは、またまたジャッキー特有の動きがふんだんに盛り込まれていて、ファンにはうれしい内容になってます。

ジャッキーってもう49歳なんだって!
たしかに昔から作品に出ているからそれも当然かもしれないけど、それでもあれだけ動けるってすごいよね〜

他の大作とあたったからか、我が家のそばの劇場でも、公開されたと思ったらもうすぐに上映終了に。私が観に行ったときも劇場ガラガラだったし、人気ないのかな〜。
おそらく全国の劇場でもあっという間に終わってしまうと思うので、今回見逃した人はDVDが出たときにまた楽しんで下さい。
今回もエンディングでNGシーンが観られるのだけど、DVDならもっとたくさん入っているかもしれないし。
1981年の作品だというから、もう12年前の作品なんだ。
一昔前の作品だけど、そのおもしろさは色あせていない気がする。
今見ても本当に面白い。
古さを感じないのは、12年前の原題のお話ではなく、その当時から約50年ほどさかのぼった時代を描いているからかもしれない。
今から見たって60年間と50年間なんて、区別つかないもんね。

まずテンポがいい。
ちょっと古びた言い方かもしれないけど、「冒険活劇」っていうのがぴったり当てはまる感じ。ハリソン・フォード演じるインディ(めちゃくちゃ若いよな〜ハリソン・フォード)は、完全無欠のヒーローではなくて、悪い奴にあっさりだまされちゃったりもする。「あぶない!」っていうところもあるんだけど、それがこの作品を魅力的にしている秘訣なのかも。
観客としては、完全無欠のヒーローよりは、これくらいのヒーローの方が、親しみやすく、すんなりと映画に入っていけるのかも。

このころはまだCGとかワイヤーアクションなんてのは登場しないんだけど、それでも十分こんなに面白い作品が作れたんだな〜

なんとなく動きがコミカルっていう点では、ジャッキー・チェンの映画の雰囲気にも似ているかも。
二作目の「魔宮の伝説」三作目の「最後の聖戦」に特典映像付きのDVDを買ったので、この後も楽しみはまだまだ続くのです。


任務の遂行ではなく、人として正しいと思うことをやり抜こうとするアメリカ兵たちの姿が描かれている、作品としてはなかなか良いものになっていたのではないかと思います。映画が終盤になればなるほど、ブルース・ウィリス扮するウォーター大尉と彼が率いるチームのメンバー達に愛着を覚えてしまい、なので、一人、また一人と倒れていく彼らを観るのはとても悲しいのです。

アフリカにはいろんな民族がいるのだとは聞いているけれど、本当にあそこまで他の民族を皆殺しにするものだろうか?
そんなに惨い殺し方を本当にするんだろうかっていうのが不思議ではあるのだけれど、ま、確かめようもないし。

作品としては、いい作品だったんじゃないかなと思うのです。
だけど、現実の世界で、アフガニスタンやイラクに攻め込んでいる米軍のことを思うと、米軍によるそれらの「侵略」を正当化するために作られた映画ではないかと思ってしまう。「俺たちがフセインのせいで苦しんでいた民衆を助けてやったんだ」「こんな風に、アメリカ兵は現地の民衆達を助けるために命がけで闘っているんだ」と。

もしかしたら本当に戦場で戦っている兵士達の中には、そうやって民衆達を守りたいと思っている兵士達もいるのかもしれないけれど、戦争を始めたブッシュをはじめとする政府の人間には、そんな気持ちはないに違いない。

そう、この映画に出てくる兵士達のように、実際に殺戮を目にした人間しか、命の尊さや「この人達を見殺しに出来ない」という気持ちにはなれないでしょう。そして、そういう兵士達は命を落としてしまうかもしれないけど、戦争を始めた当の本人達はなんら痛みを伴わず、戦争によって生まれる富にしか興味がない・・・
そんな風にちょっとうがった見方をしてしまうと、この映画の良さもちっとも感じられず、急に冷めたものになってしまうのが、この作品の残念なところかもしれない。

前に一度観たことがあったと思うのだけれど、でも印象は薄かったので、ほとんど初めて観たようなものかもしれない。派手さはない。最初の始まり方は、「これってホラー映画だって?」と思うような感じ。
主人公同様、観客も、「何なの?」「どういう意味なの?」と、正体不明の声に振り回されて、何かを作ったり、人に会ったり。

そう、この映画は、現実と夢の世界の境目を本当にうまく消してしまっていて、だからこそ観客達は、何が起こっているのかよくわからないながらも引き込まれてしまうのかもしれない。

正体不明の声は、現実世界とは違う世界から聞こえてくるんだけど、それに耳を傾け一生懸命に追いかける主人公とそれを支える家族達の姿は、現実世界に住んでいる近所の人たちや親戚達からは奇異の目で見られてしまう。
そして、夢のような練習風景や試合を観ている反面で、そのために用意した舞台=野球場が、家計を圧迫するという現実。

でも、そんなことはさておき、この映画は、頭で考えるのじゃなくて心で感じてほしい映画。大人になって、果たすべき責任の大きさと反比例するように、だんだん縮こまってしまう夢。果たせないままあきらめてしまう夢。そんな夢を、思い出させてくれる映画だからこそ、こんなに心に残るすばらしい映画なのかもしれない。私自身野球は好きだけど、今回はいろんな人の夢を野球に絡めて描いているだけで、野球は一要素でしかない。野球を知らない人にとっても、心に響くよい映画だった。

ジョン・Q

2003年11月2日
劇場公開時にも気になっていた映画だったんだけど、ようやく観ることが出来ました。お金がないために、愛する息子が病気になってもそれを治療する費用を払えないというお話なので、結構悲惨でかわいそうなお話だと思っていたのだけれど、実際に観てみると、そうでもなく、見終わった後の感じもよかったです。

映画の最初で描かれるのは、不景気のあおりを受けてお金のやりくりに苦労している「どこにでもありそうな」家庭。
確かにお金には困っているのだけれど、家族自体の結びつきは固く、親子での何気ない会話や親子3人で車に乗っているときのやりとりなんかにそれが表現されていた。

その、平凡な家庭の描写の一コマになるはずだった息子の野球の試合で、息子が突然倒れてしまう。病院に駆け込んでわかったことは、すぐにでも心臓移植しなければ息子が死んでしまうということ、そして、心臓移植をするためにはものすごいお金がかかるということ。

デンゼル・ワシントン演じるジョンは、いろいろ手を尽くしてお金を集めようとするのだけど、息子の名前を移植希望者のリストに載せるための保証金すら払えないで、とうとう病院に人質を取って立てこもることになってしまう。

この映画が、ひどく悲惨な映画にならなかったのは、悪人になりきれないジョンが人質たちに接する姿とか、追い込まれているジョンのことを同情している他の人質の姿がしっかり描かれているせいかもしれない。
最初は不安がっていた人質たちも、おとなしくジョンのいうことを聞いてくれるようになるし、最初はお金のない者には最高の医療を受ける資格はないとかって思っていた医師も、心を動かされ、自分の名声を投げ打ってでもジョンの息子を救おうとしてくれる。
お金が払えなければ、息子の名前を移植希望者のリストに載せることは出来ないと、冷たく言い放っていた病院長も、ジョンと息子との電話でのやりとりを聞いて心を動かされ、嘘のつもりが結局本当にリストに名前を載せてくれたりする。
行為自体は間違ったことだったのかもしれないけど、その動機が歪んだものではなかったために、多くの人が心を動かされ、ジョンの味方に付いてくれるところがこの映画の一番の見せ場なのかもしれない。
年老いた刑事が最後に目をつぶってジョンを息子の手術に立ち会わせたりするところも、私の好きなシーンのひとつ。

DVDには特典映像が入っていて、もう一つのエンディングらしき映像があるのだけれど、そっちは「ふぅ、よかったこっちがエンディングじゃなくて〜」って感じ。

デンゼル・ワシントンは「トレーニング・デイ」でオスカーをとったけど、私としてはこっちの作品の方が好きかな。
デンゼル・ワシントンはどうしようもなくて凶行に及んだものの、結局自分でもどうしていいのかよくわからない、だけど息子はなんとしても助けたいっていう父親役をなかなかうまく演じていたと思うんだけどな。

K-PAX 光の旅人

2003年11月1日
この作品に関しては、もしかしたら原作を読んでから観た方が、お話がより深く理解できてよいかもしれない。もちろん、結末が最初から分かってしまうというデメリットもあるのだけれど。

先に原作本を読んでからこの映画を観た私にとって、ちょっと物足りないかなと思ったのが、精神病院にいる他の患者さん達の描写があまりないこと。彼らがこの作品の中で果たしている役割というのはとても大きいのだけれど、映画の中では、この患者さんがどんなふうにして精神病院に入院するようになったのかということがほとんど描かれていないのはちょっと残念。
原作本では、主な登場人物となる患者さん達の病状がどんなもので、それはどんなできごとが原因になったかということが丁寧に描かれている。なので、この映画をもっと楽しむためには、やっぱり原作本を読んだ方がいいのかなと。

映画は、自分がK-PAXという惑星からやってきたと主張するプロートと、そのプロートの担当医師となるドクター・パウエルとの絡みが中心。
ドクターはプロートが他の惑星から来たとは信じていなくて、自分が異星人だと思っているプロートに本当の自分のことを思い出させようといろいろ治療を試みる。
それはなかなかドクターの思うようにはいかないのだけれど、ドクターとプロートの周りでは少しずつ変化が起こっていくのです。
仕事に没頭するあまり家族を少しないがしろにしてきたドクターも、家族の、特に奥さんのことをもっと大事にしなくちゃと思うようになったり、今までほとんど接触しようとしていなかった先妻との間の息子と会うことになったり。
精神病院の他の患者さん達も、部屋から一歩もでようとしなかった患者さんが外に出て他の患者達と接するようになったり、強迫観念症だったおじいちゃんが窓の外をただぼんやり(本当はぼんやりじゃないんだけど)見つめるようになったり・・・。症状が改善してく患者さんが増えてくのです。

作品は、悲しい事実と、不思議なできごとで終わります。
どうしても解決することの出来ない謎が残ることで、映画が悲しい終わりではなく、「もしかしたら」と思える不思議さを残すことに成功している。

作品としては地味だけど、穏やかな気持ちになれる作品かも。
前編を通じて流れている音楽も、この映画の不思議な雰囲気を出すのに一役買ってる感じです。

レッド・ドラゴン

2003年10月31日
羊たちの沈黙、ハンニバルに続く三作目のこの作品はクラリスと出会う前のレクターのお話。

エドワード・ノートンがレクターを逮捕する優秀な刑事を演じている。前に彼が出てる作品をみたのは「ミニミニ大作戦」だったんだけど、その時は悪役だった。

でも今回は、きれいな金髪で、残虐な事件に心を痛め、犯人の気持ちにはいりこむようにして事件の真相に迫っていく姿は「ミニミニ大作戦」でのワルぶりとはまた違ってている。演技の幅というか、いろんな役を演じられるってすばらしい。
レクター三部作だけど、本作でのレクターは脇役なので、この作品だけみたとしても十分楽しめると思います。

みどころはエドワード・ノートンが二家族を惨殺したダラハイドに徐々に迫っていく過程。
一方で、ダラハイドもある女性との出会いをきっかけに生き方を変えようとするのだけど、幼い頃から虐待されて育ち、心に大きな闇を抱えている彼は、なかなかそこから抜け出せないのでした。

レクターの前二作は、彼の頭の良さや残酷さは描かれていても、レクター自身の心理のような者は全くみえないというか、理解の域を超えていたような感じだった。

だけど、今回は、エドワード・ノートン扮する刑事が、犯人の気持ちや殺された人の心を読みとろうとしながら事件を解決するうちに、自分自身の心もとても疲れてしまい、一線から退いて、大切な家族と心穏やかに暮らしたい願う切実気持ちや、ようやくみつけた「大切な人」なのに、どう接していいかわからず苦悩するダラハイドの気持ちなどが、私たちにもよく伝わるように描かれていたと思う。
その点も、これまでの作品とは一線を画しているように思える。

一つ気に入らなかったのは最後のシーン。
「そんなに無理矢理つなげなくても・・・」と思ったのは私だけではないのでは?

キル・ビル

2003年10月28日
観て来ました〜話題作。
事前の宣伝がすごかったからか、普段はあまり一杯にならない近所の映画館も結構な人。

感想をひとことでいうと、とても評価が分かれる作品。
血は飛ぶ、首も飛ぶ、手も足も飛ぶって、それはすごい。
昔のやくざ映画とかがこんな感じだったらしいのだけれど、最近ではとんとみかけないだけに、驚きというか衝撃というか笑えるというか・・・
あまりに血が噴出したり手が転がったりするもんで、かえって現実離れしていて気持ち悪くない感じ。

映画の構成もおもしろい。
いくつかの章で構成されていて、その順番は必ずしも時間の経過通りじゃない。
途中でアニメがでてきたり、「何の映画観に来たんだっけ?」と思わず考えてしまう感じ。
全編を通して必ず血が流れるとか、武器は刀だったりするところで一応まとまっているのでした。

結局、昔のやくざ映画風の演出といい、刀でのアクションシーンといい、アニメといい、タランティーノが好きなものをぜーんぶ映画に入れちゃいましたって感じ。
ここまでの映画を作っちゃうくらいだから、タランティーノは相当日本のやくざ映画が好きなのねと感心せざるを得ない。
私自身がもっとやくざ映画とかに詳しかったら、「あ、このシーンはあの映画のだ」とかって気づいてもっともっと面白いのかもしれないけど、私自身はそれなりに楽しんでみました。
そりゃあもちろん、失笑しちゃうようなシーンもあるんだけどね。
あと、千葉真一のシーンなんかも なんだか笑えます。

劇場から出ると、「こんな映画観にきちゃって損した気分〜」なんて言っている人もいたので、万人を満足させる映画でないことだけは確かかな。

刀を使うということを除いても、アクションシーンは結構迫力あり。
本物の刀はあんなにずっとぶった切ることはできないはずなんだけど、そういう現実的なことはすっかり頭から払いのけてみてくれれば満足できるでしょう。

あと、他にも感心したのはユマ・サーマンとルーシー・リューがすごくがんばって日本語のせりふをたくさんしゃべっていること。
外国人である二人しか出てこないシーンで字幕無しで観ているっていうのもまた不思議な感覚でした。

全体的には満足だった私は、第二作も結構楽しみ!
同じような刀での戦闘シーンじゃもうこっちは満足しないんだから、次作ではタランティーノがどんな仕掛けをしてくるのか結構楽しみです。

デアデビル

2003年10月23日
スパイダーマンに続き、これもアメリカのコミックの映画化らしいけど、デアデビルは日本では知名度なかったんじゃないかな?
バッドマンやスパイダーマンは知ってたけど、デアデビルは知らなかったな〜

しかし、アメリカのヒーローものはどうしてこうも悲しいのでしょう。
悲しい過去があるし、いつも悩んでいるし。
デアデビルには盲目というハンディキャップもあるし。
「そんな悲しいお話にしなくてもいいじゃん。」って思います。

主演のベン・アフレックは、普通の格好をしているときはカッコいいっす!
サングラスかけて歩いている姿とかはほんとにかっこいい!

でも、デアデビルの格好しているときは・・・イマイチなんだよね。
デアデビルのコスチュームがかっこ悪すぎるのかもしれないんだけど、
マスクをつけて、鼻から下だけでてると、なんか「おっさんくさい」って感じ。全然かっこよくないよー。なんでだろう。
アクションの時はちょっと年配のスタントがマスクかぶってるんだったのかしら・・・
アクションシーンはほとんどCGだろうと思っていたのに、エンディングでスタントマン(ウーマン)の数がとても多いのにびっくり。
ということは、ちょっとでもアクションがある部分はほとんどベン本人じゃなかったってこと?

そういわれてみれば、ベン演じるマットとエレクトラが公園で闘うシーンがあるんだけど、そのシーンは、「スローモーションか?」っていうくらい
スピード感がないのです。
チャーリーズ・エンジェルでももっときびきび動いてたぞって感じ。
ということは、デアデビルとして闘ってるシーンはそれなりにスピード感があったから、やっぱりスピードのある方は全部スタントなのかしらね。

今回は悪者役のダンカンくん。
彼はグリーンマイルでの役柄のイメージが私には強すぎて、あと、顔が優しすぎて、どうも悪役という感じがしないのです。
他の映画では「いい者」役だけど悪役にっていうなら、マトリックスのローレン・フィッシュバーンくんの方が、悪役っぽい感じがするな。

あと、最近よく見かけるコリン・ファレルが出てます。
つるつる頭でニット帽かぶって、ちょっとイカれた敵役で出てるんだけど、なんだかそのイカれっぷりが彼にははまり役かも。最近のS.W.A.Tではまじめな役柄だったんだけど、あれよりはこっちのイカれた役の方が彼には合っている気がする。

映画全体としては、前半は話の展開がちょっと間延びしすぎていたんじゃないかなという感じがしました。あと、終わりが悲しいのがちょっとね。

この映画のテーマソングを歌ってたエバネッセンスをすっかり気に入ってしまって、この後CDも買ってしまったのでした。
ヴォーカルの声がいいんだよね〜

うーん、映画のできとしてはぼちぼちという感じかな。無理してみなくてもいいと思います(笑)
ベン・アフレックファンは観る価値あり。デアデビルじゃなくて素ののベンはかっこいいからね。

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