どんな映画なのか全く予備知識なく見た作品。近未来の映画なんだけど、アイディアとしてはとても面白かった。

自分の見たもの、聞いたものが全て記録されていて、死んだ後他人に全て公開されるとしたらどんな気分だろう?悪いこともできないし、秘密を持つこともできない。そんなことがテーマになった作品で、主人公はその個々人の記録を編集して「素晴らしき人生」を演出する職業。もちろん、編集者のやり方次第で、その人は「信じられないほどの悪人」としても描くこともできる。編集って実はものすごく力のある仕事だと思う。いつも見ているニュースだって、あたかも実際に起こった「真実」であるかのように報道されるけど、そこで使用される映像をつなぎかえれば、別の印象を与えるものにだってできる。「あるある大辞典」のねつ造も結局そう。データそのものはねつ造されたものだったけど、大学教授のコメントを、彼は本当にそうしゃべった訳だけど、「何を前提としてそう言ったのか?」「どんな質問に対してそう答えたのか?」という部分を消してしまう、つまり編集してしまうことで、別の情報として使われてしまうわけだ。

その編集対象を人の人生にしたところにこの作品の面白さがあるのかもしれない。そして、そんなことは許されないという意見を持つ人たちも、この作品には出てくる。そんなことができるのは神だけだという意見は、熱心な信者ではない私にはあまりピンと来ないけど、それでも、自分の生き様が常に誰かに見られるのかもと思うのは、怖いかもしれない。

ストーリーを楽しむ作品なので、これ以上のストーリーについては触れない方がいいだろう。いろんな技術を考え出す人間。それは素晴らしいことだが、その技術をどう使うかによって世の中を良くも悪くもできるわけだね。

全般的に暗い色調で、観た後ココロがうきうきする訳ではないけれど、アイディアが斬新で、とても面白い作品。

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