ホリデイ

2007年4月30日
あまり期待しないで観に行ったんだけど、それがどうしてどうして、結構いい作品で、うれしい驚きだった。

ケイト・ウィンスレット扮するアイリスが、3年間もずっと思い続けてきた人の別の女性との婚約発表を目の当たりにする様は、観ている側としては「あー、もうなんでそんなにウジウジしてるんだー。そんな男ダメダメ!とっとと別れちゃえ!」って思わされる。本人にしてみればそんなに簡単じゃないから苦しんでいる訳だし、それがこの「アイリス」なんだなと。本当にかわいそう。それに引き換え、キャメロン・ディアス扮するアマンダが、恋人が浮気したんじゃないかと問いつめて、自分の立派な家から叩き出す様はとても勇ましい。この二人の女性の性格をしっかり描写している。

傷心のアイリスとアマンダがおうちを交換するところからこのお話が始まる。
イギリスののんびりした地域にある古くてちいさなおうちにやってきたアマンダが、何もやることがなくて明日にでも帰ろうかと決心している頃、アイリスの兄のグラム登場。このグラムの登場から、彼の秘密が明かされるまでの間は、麗しいジュード・ロウを楽しむだけの映画になってしまうかと思われたんだけど、彼の秘密が明らかになる頃から、一転、ストーリーに深みが出て来る。

L.A.の開放的な雰囲気と、友達になったアーサーやその友人たちの関係を通してこちらも心を少しずつ癒して行くアイリス。特に、アーサーとアイリスとのやりとりは、アマンダとグラムのラブラブムードとはまた違った、あたたかで上品な雰囲気をこの作品に添えている。アイリスに強い女性がたくさん出て来る映画作品をたくさん紹介するアーサーと、歩行器なしでは歩けなくなってしまったアーサーを厳しくトレーニングするアイリスとの二人三脚は、恋とか愛とはまた違う、友情って言うのかな、そういう人間同士の素晴らしい関係を表していて本当によかった。

そういえば、作品中、ほんとにちょい役ダスティン・ホフマンが出て来る。なんでも、これはまったく偶然らしい。撮影しているブロック・バスターにたまたま彼が通りかかり、「へー何の撮影しているのかな」なんて感じで店内に入って来たとか。ハリウッド・スターも撮影には興味津々なんだ。それで急遽出ちゃうのもすばらしいけど。ということは、これは本当に普段着のダスティン・ホフマンなのね。必見です。

というわけで、期待していなかったんだけど、意外にいい作品だった。人にとって本当に大切なものが何なのかってことを見目麗しいひとたちが魅せてくれる作品。結構涙が出ちゃうシーンもあって、いやいやなかなかのものでした。

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