34丁目の奇跡

2006年11月8日
前に観た「ブレックファースト〜」に比べると、なんていい作品だったことか。「エルフ」に引き続き、この作品もクリスマスの作品。アメリカ人にとっては本当にクリスマスは特別なんだねー

まだ小さい子供に対して「サンタなんて本当はいないのよ」と教える母親もいるんだなー。母親は自分のつらかった過去から、自分の大切な娘には本当のことを知ってほしい、嘘はつきたくないという方針でこうやって教えるんだけど、なんかちょっと悲しい。娘のことはとても愛しているみたい。だからこそ、彼女はそういう方針で娘を育てているけれど、子供の間には、信じていてもいい嘘というか、空想の世界、夢の世界があってもいいと思うんだよね。それを小さい頃から奪って、早いうちから目に見える現実しか信じないような人間になると、なんだか楽しいことが少なくなってしまいそうな気がするし。

争いごとを何でも法廷に持ち込むのはアメリカのお国柄。裁判官はなるべく公平に裁きを下すものだと思うけど、「結論ありき」でどっちの結果に転ぶにしても、法的な理論構成は作れるのが裁判官というもの。ある意味「へりくつ」を並べて自分の好きな結論を導くこともできるのだ。それを「サンタはいるのか?」っていう争点について行うのだから、裁判官の葛藤といったらないだろうね。連邦裁判所の裁判官は、一度任命されたら本人が辞意を表明しない限りはその地位が保障されるのだけど、州裁判所の裁判官は何年かに一度選挙がある。だから、地元の有力者の影響力も受けるだろうし、地元住民の意向に背くような判決はなかなか出せないというのが本音だろう(もちろんそんなことは本人たちは全く認めないだろうけどね)。そんなわけだから、「サンタ支持」の圧倒的多数の一般市民と、選挙のときに資金面で支援してくれる地元の有力者との板挟みになる裁判官は、その板挟みから逃れるためならわらをもつかむだろうという感じがする。それがこの映画の味噌だね。まだ観てない人のためにこれ以上は言わないけど。

この作品のいいところは、サンタさんの正体が最後までわからないことかも。サンタのおじさんはサンタなの?どうなの?という問いは、観ている人に任されているのだ。
サンタさん、ほんとにいると信じたいなー大人にもきてくれればいいのに。
老若男女を問わず、信じていれば来てくれるなら、私は喜んで信じるのになー

そんなわけで、クリスマスに向けて観るにはいい作品かも。いやいや、ほんとにいい作品だった。

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