この間みたユナイテッド93がドキュメンタリーを観ているかの様だったの対し、こちらは涙なしには見られない人間ドラマって感じの仕上がっている。9.11を描いた二つの作品は対照的な仕上がり。二人が無事に助け出されたシーンはボロボロ泣けた。たくさんの警官や消防士たちが、二人を助け出すために自分たちの命をかけたのだから。

いつもと変わらぬ朝で、いつもと同じように仕事に向かった警官二人が、崩れ落ちたWTCの下から助け出される話なんだけど、がれきの中で声をかけ合いながらなんとか生き延びようとしている二人と、二人を待ち続ける家族が描かれる。彼らのストーリーは「助け出された」というハッピーエンドで終わるけど、同じようにWTCにいた家族からの連絡を待っていて、そして悲しい結末を迎えた家族がどれだけいるのだろう。2500人近くの人が犠牲になったと言われるあの事件。すべての家族がドラマになりそうな気がする。

亡くなった人たちのどれだけが、自分の最後の想いを家族に伝えられたんだろう。ユナイテッド93では墜落の直前に家族と電話で話すシーンが描かれている。でもWTCの場合は、ビルが崩落するなんて、誰も予想しなかっただろうから、話すチャンスはなかなかなかったかもしれない。上の方の階で閉じ込められて救助を待っていた人たちは、もしかしたらお話できたのかもしれないけど・・・

それにしても、現場にいた人たちだって、ほんとに何が起こっているのかわからないまま現場に向かったんだね。ジョンやウィルたち警官が、現場に向かって口をあんぐりとあけてもくもくと煙を上げるビルを見上げるシーンが、あの事件がみんなの想像を超えたものだったことを示していた。それでも中に救助を待つ人たちがいるからってビルの中に向かっていく。アメリカでは日本以上に警官の違法捜査とがかあるって聞くのだけれど、そんな人たちはごくわずかで、多くの警官たちは、自分の命をはってでも誰かを助けようっていう人たちなんだろう。そうして多くの警官や消防士が犠牲になった。

今回生き埋めになるジョンとウィル。このウィルは明るくて、彼ががれきの中から繰り出すジョークとか結構笑えるんだよね。時々、とてつもなく長い間漂流した後救助される人の話を聞くけど、助かる人は結構面白い人だと思うんだよね。ものすごく楽天的で、大変な状況でもジョークとか飛ばせる人。それはそれで、その人の強さだとも言えるだろうけど。この映画で描かれているウィルって、結構そんな感じ。

生き残れた二人は、家族との再会を願い続けて生き残る。人間は愛する人の数が多ければ多いほど、強くなれるというのは本当なのかもしれない。こんなときばかりは、お金持ちだとか出世してるかなんていう表面的な幸せは一切関係ない。心から愛する人がいるか、その人に愛されているかっていう、人間の本質的な部分で幸せな人こそが強くなれるんじゃないかなと思わされた作品。

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