バタフライ・エフェクト

最初始まったときは、「バイオハザード」みたいな気持ち悪い作品かと思ったけど、グロテスクなものは何も出て来ないし、ストーリーも結構面白かった。

自分の人生を大きく変えることになってしまった瞬間に戻って、「結果を知ってる今の自分」がそのときの自分として何かできれば、自分の人生だけじゃなく、人の人生まで変えてしまえる。本当にそんなことができたらいいなと思わないでもないけど、そのせいで、幸せに暮らせるはずだった別の人の人生を不幸にしてしまうことすらあるのだとすると、やっぱりそう簡単にはいかないか。

アシュトン・カッチャー演じるエヴァンはどの人生を歩んでいても、洋服がちがうくらいでそれほどかわらないのだけれど、エイミー・スマート演じるケイリーは、彼女の歩むそれぞれの人生の中で全く違うように見える。田舎のダイナーで埋もれてるださくてすれた感じも、恵まれた人生を歩んで美しい女子大生の姿も、安宿で売春してるような姿も、本当に全部同じ人がやってるのかと思うくらい違って見える。メイクの力もあると思うけど、同じ人でも、生き方によってこうも違うか。普通の人も、その人が活き活きと生きているか、荒んだ気持ちで生きているかによって全然見えかたが違うのだろう。美しいと言われる人たちは、それだけ充実した人生を送っているということなんだろうか。

あまりストーリーについて話すと、これから観る人の楽しみが減っちゃうかもしれないからやめておこう。DVDには別エンディングが2種類入ってる。これは、監督のコメンタリーバージョンで観るのがお薦め。どうしてこれらのエンディングが採用されなかったかがわかるから。

ということで、この作品は私は結構面白かったと思う。なんとかすれば人生変えられるかもしれないっていう力がもしあれば、そのことで他人の人生を変えてしまうことになるかもしれなくても、やっぱり試してみたいと思ってしまうかもしれないな。