キンキー・ブーツ

2006年8月16日
これまたいい作品なのよ。
私の好きなイギリス系映画。派手な出演者も設定もなしなんだけど、人びとの生き様を描くだけでこんなにもいい作品に仕上がるのね。今回は、町工場で家族のようにして働く職人さんたちのことや、いわゆる「オカマ」さんたちに対する人びとの偏見が消えて行く様子が描かれる。

靴工場を経営している父親の急死により予想外に工場を継ぐことになるチャーリーと、「ローラ」の出会いがこのストーリーの鍵。映画の冒頭のシーンは全然訳がわからなかったのだけど、この出会いのシーンでようやく意味が分かった。

私はモノヅクリがとても好きなので、こういう、みんなで何かを作り上げていくようなストーリーは特に好き。今まで高級紳士靴を作ってきた工場のみんなが、デイリークィーンたちが履くような過激なブーツを作るっていうその意外な組み合わせもおもしろい。さらに面白いのは、過激ブーツを作るにも、これまでに培われた職人さんたちの知恵とか技術がいきているところ。重い体重を支えるために鉄の支えを入れるアイディアとか、革の縫製とか。なんでもかんでも新しいものを取り入れるのではなく、これまでの知恵と技を活かしながら新しいものを創りだすところに感動が生まれるんじゃないのかな。これが、大量生産型の機械を導入して作ったブーツだったら、あんなに感動しないもの。

モノヅクリ以外のもう一つのキーワードが偏見。このストーリーの中ではいろんな人たちが持っていたいろんな偏見がゆっくりと消えていく様も描かれる。最初にあったそういうバリアを乗り越えて人と人がわかり合えることを「素晴らしい」と思う心はどうやら万国共通らしい。

一人の人間が周りの人に支えられて成長していく様子、何か一つの目標に向かってみんなが団結して頑張る様子、そして偏見が消えて人と人がわかり合って行く様子。どれもたぶん、私たちの日常生活のどこにでもあるようなことなんじゃないかと思うの。それでも、そんな一つ一つの要素に光を当てて映画にする。そういう映画、私は大好きだな。

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