そのタイトルから、ドタバタコメディ系の映画なのかと思っていたら、どうしてどうして、派手さはないけど、とてもいい作品だった。家族の絆、結婚相手との関係、結婚相手の両親との関係と、その間で主人公が悩んだり、喜んだりする姿がよく伝わってきたもの。

私にはギリシア出身の友達がいないからみんながみんなそうなのかはわからないけど、この映画で描かれているギリシア系アメリカ人のトゥーラとその家族、親族たちは、みんなにぎやかで明るい。よく食べる!今自分が外国にいるからかもしれないけど、外国で暮らすというのはとても大変なことだと思う。私のように会社がお金を出してくれて学校に行ってということなら生活は保証されているけれど、単身でやってきて生活していこうとしたら、それは大変なことだ。ただ、この映画に出てくるトゥーラの両親や親戚たちを見ていると、そんな大変な状況も、おいしいものを食べて明るく乗り切っていけそうなたくましさを感じる。そう、なんか見ているだけで、元気になれそうな人たちなのだ。

親の言われるままに店を手伝って、特別なことは何もない日々を送っていたトゥーラだけど、勇気を出して一歩踏み出し、「コンピュータを使えるように学校に行きたい」と言い出すところから、彼女の生活は変わっていくのだ。大学までなんとなーく進学するのが当たり前みたいになっている日本人にはあまりよくわからないかもしれないけど、アメリカでは、教育にはお金がかかるので、高校を卒業した後就職してそのまま一生を終える人だって少なくない。彼女が自分の意志で、「一歩踏み出そう」としたところも、この映画が私に好印象を与えている理由かもしれない。

そうしてトゥーラは仕事も手に入れて、恋人も手に入れて、結婚まで!
ところが、結婚相手がギリシア人でないことに、父親はがっかり。このお父さんも、トゥーラを困らせるようなことばかり言うんだけど、それは娘がかわいくて仕方なくて、幸せになって欲しいからだし、なんかかわいいお父さんなのだ。そして、一見「お父さんがこのおうちの主」というように見せかけて、実はしっかりお父さんをコントロールしているお母さんのたくましさと優しさも見逃せない。一歩踏み出した姉のことを尊敬しつつ、応援してくれている弟もいい。結局、この家族はみんなとても一生懸命生きているのだ。

文化も生活様式も考え方も全然違う二人のカップルが、結婚を決めて、その家族同士が戸惑いながらも少しずつお互いのことを理解しあっていく姿に、とても感動してしまった。月並みな表現になってしまうけど、お互いが分かり合おう、仲良くしようと心を開けば、うまくいくもんなんだなと。

劇場に観に行くほどの作品ではないのかもしれないけど、とってもいい作品だった。観る価値のある作品。

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