TRISTAN + ISOLDE

2006年1月30日
日本ではどんなふうにCMされるのかわかんないけど、こちらの予告編では「ロミオとジュリエットよりも前に・・・」ってなうたい文句なので、観る前から悲恋のお話だってことはわかってた。うーん、私が広報担当だったら、大ヒットした悲恋もの、「タイタニック」を引き合いに出して宣伝するかな。あの映画を何度も何度も何度も何度も観て、何度観ても涙してしまった女性がいたと聞いたけれど、そういう人には間違いなく受ける。女性をターゲットに絞った広報戦略を立てるだろうね。

もともと人びとに語り継がれてきた物語もあるようだけど、有名なのはワーグナーのオペラかな。そのオペラを観たことはないので、Wikipediaで見てみたところ、どうやらこの映画のストーリーとオペラの物語は少し違っているみたい。Wikipediaのストーリーよりも、この映画のストーリーの方がしっくり来る。

トリスタンの役は、「スパイダーマン」シリーズでお友達のハリー役をしていたジェイムズ・フランコ。彼は今私が住んでいる地域から近いPalo Altoという街の出身だと聞いてちょっと親近感がわいてしまった。このPalo Altoという地域はお金持ちが多く住む地域なので、彼もぼんぼんなのかもしれない。ちなみに、同じPalo AltoでもEast Palo Altoという地域は、この辺でも最も犯罪率の高い地域。高速道路を挟んで東側と西側とでこんなに貧富の差がはっきりしているのには驚かされる。

話を元に戻そう。イゾルデはソフィア・マイルズ。全然知らない。と思ったら、今全米で公開中のUnderworldの続編に出ているらしい。前作にも出てたみたいだけど、全然知らなかったな。

ま、ストーリーは観る前から想像がついていたのでそれほど新鮮味とかはないのだけれど、この話を切ないものにしている要素のひとつに、マーク王の人柄の良さがあげられるだろう。彼は幼いトリスタンを守るために手をなくし、両親を失ったトリスタンを育て、トリスタンを最も信頼してくれている家族。しかも、敵対国から来た花嫁のイゾルデを幸せにしようといつも心を砕く、本当によくできたいい人なのだ。そんな自分の命の恩人を、あるいは自分を幸せにしようと心から思ってくれている人を、それぞれ裏切らざるを得ないほど、トリスタンとイゾルデは激しく愛し合ってしまったってことが人の心を打つのねー。そういう意味では、Wikipediaで読んだオペラのストーリーよりも映画のストーリーの方が、二人が恋に落ちる過程が自然で良かったかなという感じ。

マーク王の人柄もとても良かったんだけど、そのマークを演じるルーファス・スウェルっていう俳優さんが、雰囲気的にちょっと渡辺謙に似ている気がして、なんか気になった。あとはジェイムズ・フランコのちょっと涙をためた瞳でしょうかねー。うるうるした瞳でじっと見つめるシーンは切なくて、「あんな目で見られたらたまらないねー」と思ったりして。この映画の中では何度も、その「うるうるの瞳」を観た気がする。そう言えば、「スパイダーマン」でも、父親を思って目をうるうるさせていたのを思い出しました。悲しい時はすぐに涙が出てしまう、涙腺の緩い俳優さんなのかもしれない。「悲恋もの」にはぴったりですな。

ま、ストーリー展開はある程度予測できていたので、とりたててびっくりする内容じゃなかったし、残念ながら私にとっては涙がこぼれるほど感動する部分もなく(「タイタニック』も特に涙が出るほどではなかったし・・・)、「並」な作品。でも決して悪くはない。劇場に観に行っても損じゃないと思うけど、絶対劇場で観なくちゃってほどでもない。

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