Glory Road

2006年1月25日
バスケットボールが人気スポーツのアメリカでは公開翌週くらいに興行成績第1位だったかもしれない。でも、日本ではどうだろうかね?バスケットボールがそこまで人気って訳でもないし・・・でも、「スラムダンク」も人気があったくらいだから、大丈夫かな。

このお話は実話に基づいた話らしい。
まだ人種差別が色濃く残っていた1960年代。日本語に訳すとすると「全米大学バスケットボール選手権」みたいな感じかな、その大学バスケットボールチームNo.1を決める大会に、アフリカンーアメリカン(映画の中ではニグロ(ネグロ?)という差別用語が使われているけど、今は公の場では使えないはず)の選手たちを率いて出場し、見事優勝に導いたダン・ハスキンスの自叙伝がベースになっているのだとか。

ダンを演じるのは、実は前からちょっと気になっていた、ジョシュ・ルーカス。「ハルク」とか「スィート・ホーム・アラバマ」とかに出ていたときはルックスが結構気に入っていたんですが・・・今回ずいぶんおじさんに見えました。そういう役柄だからかもしれないけどさ、でもなんか急に老けたように感じたのは私だけでしょうか?ただ、熱血コーチぶりは見事。ダン本人を見たことがないのでなんとも言いがたいのだけれど、こんなに熱意を持ったコーチだったら、ほかの誰もがなし得なかったことも成し遂げられるかもしれないと思わせられた。

先日NBAの試合を観にいったんだけど、Kobe Bryantを含め、アフリカン−アメリカンの選手たちが大活躍。彼らのプレーは迫力があって観ていてとても興奮したよ。でも、もし、ダンが彼の選手たちを率いてNCAAを制覇しなかったら、彼らがこうやってNBAでプレーすることもなかったかもしれない。それくらい、ダンとその選手たちが成し遂げたことは、一大学が全米制覇したというだけでなく、もっと大きな意味を持ったことだったに違いない。

じゃあ、ダンは、特別に人権や人種差別を意識した人だったのか?と問われたら、私は「違うんじゃないかな」って答えるな。彼は、ただバスケットボールの試合に勝ちたかっただけじゃないかと。悪い意味じゃなく、白人だろうが黒人だろうが、いいプレーをする選手を起用し、いいプレーをさせようとチームを指揮していただけじゃないかと。彼はスポーツを通じて、肌の色や生まれた所なんて人間の中身には関係ないってことを感じ取り、人種差別がナンセンスだと学んだんじゃないかと。彼の大切に育ててきた選手たちがいろんな妨害にあったりする中で、根強い人種差別を目の当たりにすることはあっただろうけど、彼はそんな人種差別に負けないくらい強く「勝ちたい」って思ってただけなんじゃないかな。

スポーツは、人の心の中にある「壁」を取り除くことのできる一つのツールだと思う。サマースクールのとき、いろんな国から集まったみんなでサッカーをしたんだけど、勝ち負けにかかわらず、試合の後はみんなとの距離がものすごく近くなった気がしたもの。オリンピックが政治の道具に使われたこともあったみたいだけど、スポーツの世界にだけは、そういうものは持ち込んでほしくない。

バスケットボールのお話とはいえ、バスケットボールに興味がなくても、ストーリーだけで十分に楽しめる。というか、感動できる。

この映画、アメリカで観て良かったと思ったのは、存分に盛り上がれるってことかな。日本では映画館で映画観る時黙ってみるよね。こっちの人は盛り上がる、盛り上がる。劇中のバスケの試合であるにもかかわらず、まるでライブのNBAの試合の応援に行っているかのごとく応援するし。ゴール決まったら「いぇーい!」とかって言うし。なんか、バスケの試合も映画も両方観に行ったような、2倍楽しめたような、そんな気がした。

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