ミスティック・リバー
2005年6月15日この作品でショーン・ペンがアカデミー主演男優賞をとったということは認識していたんだけど、監督がクリント・イーストウッドだったということは認識していなかった。しかも、音楽までクリント・イーストウッドだった。なんて多才なおじちゃんなんだろう、クリント・イーストウッドという人は。
この作品、ずっと暗くて重たい雰囲気の中で進行する。仲良しだった3人がバラバラになってしまうきっかけになった事件は、子供の良心を利用したすごく卑劣な事件。そんな大人のいうことは、絶対信じちゃだめって観ながら思うんだけど、いたずらをして「自分たちはちょっと悪いことをしちゃった」と思っている子供たちに、圧倒的な威圧感で有無を言わせず従わせる大人のずるさが腹立たしい。
そして、事件の被害者はずっとトラウマを抱えて生きることになり、後の二人は「自分があのとき車に乗っていたらどうなるんだろう」という気持ちを消せずに、でも、普段の生活の中では、そんな意識は自分の奥深くにしまい込んで生きている。一人は裏社会を、一人は刑事で、一人はしがない中年男。
クリント・イーストウッドの作品は、振り返ってみると、人間の生き方というか、彼なりに撮りたい人間の姿というのがあるんじゃないだろうか。人間のいいところも悪いところも、美しいところも醜いところも、映画というものを通して彼は人間の様々な姿を演じたり描いたりして来たように思う。今回は何だろう?親子、夫婦、兄弟と、この作品の中ではいろんな絆が描かれている。親子愛、夫婦愛、兄弟愛それぞれ美しいものだけど、時に間違った方向を向いてしまうこともある。娘を愛するが故にその命を奪った者を許せない、夫を愛するが故に夫の犯した罪には目をつぶる、兄を愛するが故に自分の元から出て行かせない。世の中の人間を善人と悪人の二つに分けることなんかできなくて、一人の人間の中に両方あるものなのかも。
思い違いや、一途な気持ち故に起こる悲しい結末。そんな中で、少しだけ希望の光を残すことも忘れない。そして、いろんなものを飲み込んで川だけは悠々と流れている。作品としてはちょっと暗すぎて、なんとも言えない気持ちになってしまうけれど、でも、映画としてのクオリティは高いと思う。
この作品、ずっと暗くて重たい雰囲気の中で進行する。仲良しだった3人がバラバラになってしまうきっかけになった事件は、子供の良心を利用したすごく卑劣な事件。そんな大人のいうことは、絶対信じちゃだめって観ながら思うんだけど、いたずらをして「自分たちはちょっと悪いことをしちゃった」と思っている子供たちに、圧倒的な威圧感で有無を言わせず従わせる大人のずるさが腹立たしい。
そして、事件の被害者はずっとトラウマを抱えて生きることになり、後の二人は「自分があのとき車に乗っていたらどうなるんだろう」という気持ちを消せずに、でも、普段の生活の中では、そんな意識は自分の奥深くにしまい込んで生きている。一人は裏社会を、一人は刑事で、一人はしがない中年男。
クリント・イーストウッドの作品は、振り返ってみると、人間の生き方というか、彼なりに撮りたい人間の姿というのがあるんじゃないだろうか。人間のいいところも悪いところも、美しいところも醜いところも、映画というものを通して彼は人間の様々な姿を演じたり描いたりして来たように思う。今回は何だろう?親子、夫婦、兄弟と、この作品の中ではいろんな絆が描かれている。親子愛、夫婦愛、兄弟愛それぞれ美しいものだけど、時に間違った方向を向いてしまうこともある。娘を愛するが故にその命を奪った者を許せない、夫を愛するが故に夫の犯した罪には目をつぶる、兄を愛するが故に自分の元から出て行かせない。世の中の人間を善人と悪人の二つに分けることなんかできなくて、一人の人間の中に両方あるものなのかも。
思い違いや、一途な気持ち故に起こる悲しい結末。そんな中で、少しだけ希望の光を残すことも忘れない。そして、いろんなものを飲み込んで川だけは悠々と流れている。作品としてはちょっと暗すぎて、なんとも言えない気持ちになってしまうけれど、でも、映画としてのクオリティは高いと思う。
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