アオドクロって聞いたことないな〜と思いつつ、劇場ご招待のチケットが当たったので行ってみることに。どんな映画だかまったくわからないままだったので、劇場について、どうやらこれが舞台を映画にしたようなものだとわかったときは、「むむぅ、これは寝ちゃうかもしれない」と思った。なぜならその日は休みの日だというのに一日休日出勤だったし、とても疲れていたし。しかもこの映画、めちゃくちゃ時間が長くて、真ん中に休憩10分を挟んで3時間半くらいあるのだ。いったいどうなるんだろう・・・と思いつつ観始めたけど、結構おもしろかった。

今回はみなとみらいの109シネマズで観たんだけど、まず映像がとても綺麗。普段観ている映画館だと、映画が始まる前に、携帯を切れだの静かに観ろだのと言っている部分なんて、何度も流れているからか雨が降っているかのように筋が入っちゃっているんだけど、こちらの劇場はデジタル画像なのでそんな雨は降らないらしい。おまけに、音がめちゃくちゃよくて、重低音がすごい迫力なのだ。惜しむらくは今回の席が少し端の方だったので、反対側の端からの音がちょっと聞こえずら買ったのは残念だったんだけど、きっと真ん中あたりの席で観ていたら、右からも左からも後ろからも音が聞こえてかなりよかっただろうに。

最初に、何やらゴレンジャーの悪者たちのような格好をした人たちが出てきて、歌い踊られてしまったときには「こりゃだめだ。ハズレだ」と思った。こんな最初から歌と踊り踊らないとストーリーが先に進まないなんて、絶対寝ちゃうと思ったね。しかも悪者軍団の中の女性が歌う歌は、ビミョーな音なのだ。なんかはずれているようなはずれていないような、でも聞いていて居心地悪いというか、そんな感じ。

それでも、その先は笑いもふんだんに盛り込まれていて、ストーリー展開もそれほどちんたらじゃなく、おかげで楽しめた。時々親父の汚いお尻を度アップで映されたりするのには閉口したけど。

市川染五郎の出演作は、今回初めて観たかも。歌舞伎の舞台も観たことないけど、上手いというか、引き込まれるような演技をする人だと思った。セリフもところどころ歌舞伎のような言い回しだったりするけど、それがあまりわざとらしく不自然に思えないのはさすがに歌舞伎役者だからかな。前に中村獅童の『丹下左膳』を観に行ったけど、中村獅童よりも市川染五郎の方がずっと上手だと思った。ま、舞台の演出とか、作品全体の質が違うので比べてもしょうがないか。

ところどころに織り込まれたコテコテの演出も、笑いを誘うのでまあよしとしよう。池内くんの蘭兵衛は、美形なのはよかったのだけど、殺陣はもうちょっと練習が必要なのでは。あまりにもへにゃへにゃしていて迫力がなさすぎる。

それにしても、全然期待せずに観に行った割には本当におもしろくて、この「アオドクロ」の前に公開されたという「アカドクロ」も観てみたくなった。舞台の臨場感みたいなものも味わえる上に、顔の表情なんかは舞台で観るよりもっとはっきり見える訳だし、音と映像のよい劇場で観たせいもあるけど、迫力も十分。今度市川染五郎と宮沢りえが共演している「阿修羅城の瞳」という作品もなんか観てみたくなっちゃった。

思いがけない拾いものをしたという感じの作品でした。

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