チャリング・クロス街84番地
2005年3月7日これって本当にあったお話なんだって。
派手さはないんだけど、こういう落ち着いた映画も悪くない。本屋さんに対する単なる本の注文から始まって、一度も会うことなく、本と手紙のやりとりで心を通わせ合ったというお話。
まず最初に不思議だったのが、1949年とか1950年頃のイギリスは食料品が配給制だったということ。イギリスは戦争に勝った国だし、戦争が終わって4年とか5年経っていたので、まさかそんなイギリスで食料品が配給制だったとは知らなかった。実際戦後しばらくの間は統制下にあったらしい。そんな状況を知ったアメリカ人の売れない脚本家の女性ヘレーヌが、本屋さんに食料品を送ってあげたことから、ロンドンの本屋さんの従業員たちと、ニューヨークにいる脚本家ヘレーヌとの間での交流が始まる。荷物を送ったことがきっかけで、最初に脚本家の彼女と手紙のやりとりをしていたフランク以外の従業員も、彼女にお礼の手紙を書くようになり、おかげでヘレーヌは、本屋さんの従業員としてどんな人がいるのか、それぞれの従業員がどんな家族と一緒に暮らしているかなんてことまでわかるようになる。手紙だけでロンドンとニューヨークっていう離れた場所に住む人たちが家族ぐるみで心を通わす様子が描かれているので、なんだか安心してみていられる。
脚本家ヘレーヌのたくさんの本に対する考え方もおもしろいのだけれど、何より、この映画の中では、本がとても大切で貴重なもののように描かれていることが印象的だった。形も表装も様々な本たち。中身は詩集だったり、なんだか小難しいそうな「○○論」みたいなお話だったりする。そのどれもが、とてもかけがえのないもののように描かれているのだ。この様子を見ていてちょっと反省しちゃった。私も時々は本を読むけど、たいていは文庫本。扱いも決して丁寧とはいえない。ま、文庫本のようなスタイルがうまれたおかげで、誰でも簡単に本を手に入れることが出来るようになったわけだけど、本に対する切ない気持ちっていうか、憧れのようなものはなくなってしまったのかも。
奇抜な演出もなし。この映画ではただひたすら手紙でのやりとりと、手紙を書く人物の、ある意味平凡な生活がずっと描かれているだけなのだ。それでも、映画としてはとても上質なものに仕上がっていた気がする。アンソニー・ホプキンスも、私には「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターのイメージが強いのだけれど、こんなに落ち着いた、普通のおじさんの出演作もあったんだな。そのアンソニー・ホプキンス演ずるフランクの妻の役はジュディ・デンチ。一番有名なのは007シリーズのMの役かな。ヘレーヌ役のアン・バンクロフトっていう女優さんの出演作は、私はほとんど知らないものばかりだった。
というわけで、この作品は何だか上質の落ち着いてみられる作品。
退屈になりそうな設定なのに退屈しない、これってやっぱり作品の質が高いからなのかな。
派手さはないんだけど、こういう落ち着いた映画も悪くない。本屋さんに対する単なる本の注文から始まって、一度も会うことなく、本と手紙のやりとりで心を通わせ合ったというお話。
まず最初に不思議だったのが、1949年とか1950年頃のイギリスは食料品が配給制だったということ。イギリスは戦争に勝った国だし、戦争が終わって4年とか5年経っていたので、まさかそんなイギリスで食料品が配給制だったとは知らなかった。実際戦後しばらくの間は統制下にあったらしい。そんな状況を知ったアメリカ人の売れない脚本家の女性ヘレーヌが、本屋さんに食料品を送ってあげたことから、ロンドンの本屋さんの従業員たちと、ニューヨークにいる脚本家ヘレーヌとの間での交流が始まる。荷物を送ったことがきっかけで、最初に脚本家の彼女と手紙のやりとりをしていたフランク以外の従業員も、彼女にお礼の手紙を書くようになり、おかげでヘレーヌは、本屋さんの従業員としてどんな人がいるのか、それぞれの従業員がどんな家族と一緒に暮らしているかなんてことまでわかるようになる。手紙だけでロンドンとニューヨークっていう離れた場所に住む人たちが家族ぐるみで心を通わす様子が描かれているので、なんだか安心してみていられる。
脚本家ヘレーヌのたくさんの本に対する考え方もおもしろいのだけれど、何より、この映画の中では、本がとても大切で貴重なもののように描かれていることが印象的だった。形も表装も様々な本たち。中身は詩集だったり、なんだか小難しいそうな「○○論」みたいなお話だったりする。そのどれもが、とてもかけがえのないもののように描かれているのだ。この様子を見ていてちょっと反省しちゃった。私も時々は本を読むけど、たいていは文庫本。扱いも決して丁寧とはいえない。ま、文庫本のようなスタイルがうまれたおかげで、誰でも簡単に本を手に入れることが出来るようになったわけだけど、本に対する切ない気持ちっていうか、憧れのようなものはなくなってしまったのかも。
奇抜な演出もなし。この映画ではただひたすら手紙でのやりとりと、手紙を書く人物の、ある意味平凡な生活がずっと描かれているだけなのだ。それでも、映画としてはとても上質なものに仕上がっていた気がする。アンソニー・ホプキンスも、私には「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクターのイメージが強いのだけれど、こんなに落ち着いた、普通のおじさんの出演作もあったんだな。そのアンソニー・ホプキンス演ずるフランクの妻の役はジュディ・デンチ。一番有名なのは007シリーズのMの役かな。ヘレーヌ役のアン・バンクロフトっていう女優さんの出演作は、私はほとんど知らないものばかりだった。
というわけで、この作品は何だか上質の落ち着いてみられる作品。
退屈になりそうな設定なのに退屈しない、これってやっぱり作品の質が高いからなのかな。
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