隠し剣鬼の爪

2005年1月17日
う〜ん、一言で言えば、「たそがれ清兵衛」の二番煎じ。田舎侍って言う設定も同じだし、普段は目立たない平凡な侍で、控えめで、でも剣の使い手でってところまで同じな上に、秘めた恋っていうところまで同じなんだよね。二つとも同じ、藤沢周平の原作であるっていうのも原因かもしれないけど、似すぎている。

とはいえ、そんなに悪い作品ではなかった。私がもともと時代劇が好きだと言うこともあるのかもしれないけど、時代劇なんて、だいたいストーリーはいつも似通ったような物が多いのだから、新鮮さとか驚きとかがなくても楽しめることは楽しめる。

永瀬正敏って、私は他の作品ではほとんど観たことがなかったんだけど、真面目すぎる役をそれなりに上手く演じていたように感じる。殺陣の上手さというか迫力では、やっぱり真田広之には負けちゃうと思うけど。そもそも最後の方まで殺陣のシーンなんてないし、なんだかあっという間に終わってしまうので、気にならないくらい。そうだな〜そういう意味では、冒頭はちんたらとテンポがゆっくりすぎるので退屈するかもしれない。

あ、ただ、そんなちんたらなテンポだったんだけど、結構笑いながら観てたかも。田舎の小藩で、新しい銃火器を使えるようになるための訓練とかを一生懸命やっているんだけど、その姿が滑稽で滑稽で。本当はどうだったのか知らないけど、大砲を試しに撃ってみたときに、その反動で大砲自体が後ろにどーっと動き出したことに大あわてでバタバタしている姿とかって、なんだかおかしかった。

秩序を保つために作られた封建的な価値観の中で、世間体や社会的な地位なんて物にはこだわらずに、本当に大切なものを大事に、いつも真面目に、本当は力はあるんだけどそれを隠して無能なふりをしているっていうその生き方に共感するのはやっぱりおじさん達世代なのかな〜自分のことを、目立たないけど、家族を大切に思いながら生きている、現代の封建制度=会社で生きる侍のように考えたりするんだろうか。

もともと時代劇にあまり抵抗感のない人は、観てそれなりに楽しめるかもしれないけど、「なんでそこで我慢するの!」とか、「どうしてそんな考え方するのか理解できない!」っていう人にとっては、まどろっこしくて疲れちゃう作品のなのかも。時代劇好きな人におすすめの作品。

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