ダスト

2004年11月2日
過去と現在が交錯する、何とも不思議な作品だった。しかも、取り上げられているのは、日本人にはあまり馴染みのない、トルコ軍と抵抗勢力の争いだったりする。そこに、なぜかアメリカ人が加わってて・・・っていうちょっと変わったお話。いくつものストーリーが展開されるんだけど、一つは現代を生きるコソ泥のエッジとおばあさんの絡み、一つはルークとイライジャという兄弟の間のお話、その兄弟に絡むリリスという女性、そしてルークの生き様と、このおばあさんはいったい何者なのかという謎。これを、うま〜く絡み合わせていたように思う。

主人公のルークを演じているのは、ロード・オブ・ザ・リングでファラミア役だったデイビッド・ウェンナム。この作品では、ちょっとワイルドな感じのガンマンというか、カウボーイというか、まあ決してまっとうな道を歩いているヤツじゃないような役柄を演じている。ロード・オブ・ザ・リングでは、真面目で冷静な王子役、ヴァン・ヘルシングでは、おちゃめな発明好きの僧を演じていて、ここ最近みた3つの作品の中で、全然違う雰囲気を出している。

この作品の監督さんは、マケドニア人なんだって。マケドニアと聞くと、アレクサンダー大王を思い浮かべるけど、ネットで調べてみると、あの時代のマケドニアとは関係がないらしい。
独立したのは本当に最近で1990年代に入ってからのこと。20世紀はじめの頃に、ギリシア、セルビア、ブルガリアの三国とトルコとの間で争われたり、その後はギリシア、セルビア、ブルガリア間で争いになって分割されたり、ユーゴスラビアの一部だったりしたこともあったようで、ずっと不安定な政情だったらしい。この作品のテーマも、監督さんがそんな背景を持つ国の出身だからこそに違いない。

いろんな要素が絡み合うので、ちょっと目を離すとストーリーについていけなくなっちゃうかもしれないけど、私はこの作品は結構気に入った。このストーリーは最後どうなっちゃうのか想像がつかなかったし、「どうしてこの兄弟は争っているの?」とか「このおばあちゃんは結局何者なの?」とかそれぞれの謎が少しずつ明かされていくのもおもしろい。あと、過去と現在を上手くつないでいるところも素晴らしいと思う。例えば飛行機で現在と過去をつないでみたり、おばあさんの夢を通じて過去から現代に戻ったり。

そんなわけで、私はこの作品はオススメ。
ダストっていうタイトルからは全然想像がつかないようなストーリーだったよ。dustってちりとかほこりっていう意味だよな〜ルークとイライジャの兄弟達から始まって、リリス、ネダ、そしておばあちゃん。この人達が生きてきたから今がある訳なんだけどその人達も結局は今となってはちりやほこりということなんだろうか。いやいや深いな〜

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