ストーリーも、その中にふんだんに織り込まれる笑いの質も、アクションも、シリーズの中で最も優れている。そして、出演しているキャストも豪華メンバー。

この作品をこれだけ優れたものにしたのには、やはりショーン・コネリーの存在感が大きいと思う。
革ジャンに帽子とかなりラフな格好のインディに対し、きちんと背広を着て鞄ももって、きちんとしたみなりの父親は、その見た目同様、インディと正反対のところがいくつかある。ピンチになってもあわてる様子もなくなんとなくおっとりした感じとか、武器を使うのはあまり好まない様子とか。そうかと思うと「やっぱり血は争えないね」というところもあって、古い時代の伝説や謎を解き明かそうと情熱を傾けるところとか、美しい女性をみると手を出さずにはいられないところとか。そんな愛すべき父親をショーンが絶妙に演じていると思った。

この作品はDVDでみたのだけれど、特典映像として出演者達のインタビューなんかも収録されている。たいていのキャスト達は、現在のインタビューなんだけど、撮影当時のインタビュー映像として登場するのが、今は亡きリバー・フェニックス。まだ若くて、少年のちょっと「つっぱった」というか「かっこつけたがる」感じがインタビューにすごく現れていて、あんなの全然怖くなかったよとか、自分なら出来ると思ってたよとかって強がっている感じだった。彼ももし生きていればもう中年のおじさんになってるんだろうな。

この作品の中では、「笑いの要素」もかなり盛り込まれている。
私が好きなシーンは、お父さんとマーカスとの敵の戦車の中でのシーン。もともととらえられているマーカスを助けに行ったお父さんも、結局戦車の中で捕まってしまうのだけど、この二人にはあんまり危機感がない。
ピンチをピンチと思っていないのだけど、その違和感がかえっておかしさを増している。
あと、飛行船に乗り込んで逃げようとしたところ、敵にばれて追いつめられたところを、乗組員の制服を着たインディが飛行船からその敵を放りだしてしまうシーンがある。その後、のかの乗客に向かって「チケット持ってなかったから」といった途端に客達が自分のチケットを取り出して彼に向かって見せるシーンも笑える。

アクションもかなり迫力がある。
戦車のシーンが一番印象的かな。あと、バイクチェイスのシーンもよかった。あのバイクチェイスのシーンは、どうやらジョージ・ルーカスの「庭」で撮影されたらしい。庭でバイクチェイスって・・・やっぱり違うよね。

スピルバーグがこの作品で描きたかったのは親子愛らしい。
それは最後のシーンでパパが「インディアナ」と諭すような声で呼びかけるところに凝縮されているような気がした。

二作目がやや駄作っぽくなってしまっただけに、シリーズの最後をこの最高傑作で締めくくれてよかった。リバーを含め、出演者の何人かはもうこの世にはいないのだけれど、20年近い時を経て観ても、これだけ楽しめる作品を残せたのだからすばらしい。大満足の作品でした。

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