前に一度観たことがあったと思うのだけれど、でも印象は薄かったので、ほとんど初めて観たようなものかもしれない。派手さはない。最初の始まり方は、「これってホラー映画だって?」と思うような感じ。
主人公同様、観客も、「何なの?」「どういう意味なの?」と、正体不明の声に振り回されて、何かを作ったり、人に会ったり。

そう、この映画は、現実と夢の世界の境目を本当にうまく消してしまっていて、だからこそ観客達は、何が起こっているのかよくわからないながらも引き込まれてしまうのかもしれない。

正体不明の声は、現実世界とは違う世界から聞こえてくるんだけど、それに耳を傾け一生懸命に追いかける主人公とそれを支える家族達の姿は、現実世界に住んでいる近所の人たちや親戚達からは奇異の目で見られてしまう。
そして、夢のような練習風景や試合を観ている反面で、そのために用意した舞台=野球場が、家計を圧迫するという現実。

でも、そんなことはさておき、この映画は、頭で考えるのじゃなくて心で感じてほしい映画。大人になって、果たすべき責任の大きさと反比例するように、だんだん縮こまってしまう夢。果たせないままあきらめてしまう夢。そんな夢を、思い出させてくれる映画だからこそ、こんなに心に残るすばらしい映画なのかもしれない。私自身野球は好きだけど、今回はいろんな人の夢を野球に絡めて描いているだけで、野球は一要素でしかない。野球を知らない人にとっても、心に響くよい映画だった。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索