HUNTED

2003年9月20日
以前劇場公開中に観た作品。
あんまり話題にならなかったように思うけど、話題にならなくてもまあ仕方ないかなって感じ。

久しぶりにほとんどCGを使っていないアクション映画を観た気がする。
実際エンドクレジットも、マトリックスなんかとは比べものにならないくらい短いのです。

作品はわりと重い感じに仕上がっていました。
逃げるベニチオ・デル・トロを、草むらに残った足跡なんかをたどりながら追いつめていくシーンは、緊張感があってとてもよかった。

オレゴンのジャングルと街が主な舞台になるのだけど、「こんなジャングルみたいなところが残っているんだ」って思いました。マトリックスなんかを観てしまうと、ワイヤーアクションとかなしで、生身の身体vs生身の身体の戦闘シーンを観ると結構新鮮でした。ベニチオ・デル・トロ使う武器がナイフだからということもあるけど、流血シーンが多くてとてもリアル。

ついでに言うと、コソボ紛争の時の大量虐殺のシーンが最初に出てくるのだけど、そのシーンもなんだか妙にリアルで怖かった。
コソボ紛争って、日本ではあまり話題にもならず、その紛争の背景なんかは全然わからないけど、改めて考えると、この紛争に絡む映画作品というのはけっこうあるような気がする。
アメリカで作られる映画でよく題材になっているということは、どうせまたアメリカが軍を派遣したからに決まってるけど。

アクション映画としては、追う者と追われる者の緊張感がよく出ていたのだけど、人物描写があまりにも貧弱。どうしてL.T.(トミー)は手紙を読まなかったのか?写真まで持ち歩いているアイリーンとその娘は、ハラムとはどんな関係なのか?などなど、この人達はどうしていまこうしているのかということを観ている側が掴むためのヒントが何一つ与えられない。
派手なアクションがない割に、coolに仕上がっていただけに、この人物描写がもう少しあれば、より深い作品になっただろうにと残念に思うのでした。

作品の最初と最後に、アブラハムが神に息子を殺せと命じられるシーンがあるのだけど、ただでさえ聖書に慣れ親しんでいない私にとってその裏にはどんな物語があるのかわからないし、さらに言えば、L.T.とハラムとの間にどんな絆があったのかがわからないので、その聖書の言葉と作品の内容がイマイチ結びつかないのでした。
そんなわけで、満足度はあまり高くない作品でした。

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